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【コミカライズ連載中】懐いた後輩がうるさくて寝れないので、意地悪して嫌われようと思う〜それ意地悪じゃなくて惚れさせてますよ?  作者: 午前の緑茶
本編

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反撃31(変化)

ああ、とうとうやってしまいました…!



先輩の家から出た私は全力で走って家に戻ってきました。



ベッドに倒れ込むように横になります。



目を瞑ると別れる間際のことが自然と思い出して、ドキドキが止まりません。



バタバタと足をばたつかせて、悶えてしまいます。



これまで色々やってきましたが、どれも先輩にはいまいちで平然としていました。



もうキスしかないのでは?と思っていましたが、まさか本当に私、してしまうなんて…!



先輩、引いてしまったでしょうか?私のこと気持ち悪い人だと思っていないでしょうか?



今になって後悔してきました…。



どんどん胸の内が不安に包まれていきます。



ですが後悔していても仕方ありません。私はもう決意したんです!



後悔している暇など私にはありません。次の作戦を考えないと!



なんとか折れそうになる心を持ち直し、明日について考え始めました。



次は何をしましょうか?あれもいいですね。これもいいですね。



色々思いつき明日が楽しみになります。



これまで意識してもらおうと色々やってきましたがどれも反応はいまいちでした。



ですがキスしたときは明らかに先輩の反応が違いました!あんなに固まっていた先輩は初めて見ました。



明日会えば、先輩がどう思ってくれたのか分かります。



出来れば少しでも意識してもらえていたなら嬉しいです…。



もし先輩が意識してくれていたなら…。



想像するだけで胸が締め付けられるくらい嬉しくなります。



ああ、どうなんでしょう。明日会って確かめないと。



明日に期待と不安を抱いて私はゆっくり眠りにつきました。



次の日、起きると気分が重く、体が異様に熱いことに気が付きました。



頭がぼぅっとして上手く思考が回りません。



動くのが辛いです。まだ寝つきたい気持ちを抑えてなんとか動き出し、一階のリビングに降りていきます。



「あら?えり、どうしたの?」



降りるとリビングで仕事の制服を着たお母さんが心配そうに私のことを見てきます。



やはり見てわかるぐらい顔が赤いのでしょうか?



「うん、多分、風邪だと思う。今日一日寝てる」



なんとか声を絞り出してそう答えます。掠れた声が耳の鼓膜を震わせます。



「そう?ごめんね。もうお母さん仕事だから。風邪なら寝ていれば大丈夫だと思うけれど、本当に辛くなったら連絡するのよ?」



申し訳なさそうに眉を下げて、心配してきます。



「お母さん、心配しなくても大丈夫だから。ほら、早く仕事に行ってきて」



まだ心配そうに見つめてくるお母さんの背中を押して、外へ出すことが出来ました。



ふぅ、お母さんに心配をかけたくなくて強がりましたが、やっぱり少し辛いですね。



熱を測って、すぐ寝ましょう。



体温計で測定してみると37.5度でした。見事な微熱で風邪だと思います。



水分を取って、二階に戻りベッドに潜り込みました。



ああ、今日は先輩に会えないのですか…。残念です…。



昨日のキスについての反応を知りたかったのもありますが、普通に会いたかったです。



1日あの先輩の姿を見れないのはやっぱり寂しいですね…。



あの仕方なさそうに話してくれる感じが好きです。



自分だけ許されてる特別感があって、結構ドキドキするんです。



ああ、会いたかったです。



ベッドの温もりに包まれ眠りに落ちる最中、私はそんなことをぼんやりと考えていました。



スゥッと意識が浮上し、目を覚まします。



ちらりとベッドの横の目覚まし時計に目をやると、時間は既に4時を指していました。



随分と長い間寝ていたようです。



よく寝たおかげか身体は軽く、ぼうっとしていた頭もよく回ります。



ぐぅぅぅぅ。



お腹の音が鳴り、自分が空腹であることを自覚しました。



とりあえず、ご飯を食べましょう。



まだ残る熱で少しふらつきながら、一階に降りました。



もぐもぐと遅すぎる昼ごはんを食べます。



ご飯を食べ終え、また寝ようと思いましたが寝過ぎたのかまったく眠気がきません。



なのでソファでぼうっと眠気が来るまで過ごしていました。



ピンポーン



チャイムが鳴りました。誰か来たようです。



「…はい」



受話器を取ると向こうから挨拶が聞こえてきました。



「神崎裕也です。雨宮えりさんのお見舞いに来ました」



「せ、先輩!?なんで私の家に!?」



え?え!?本物ですか!?先輩がわざわざ私の家に来てくれたなんて信じられません!



先輩から来ることなんて滅多にないのに、こんな日に来てくれるなんて、とても嬉しいです…。



少しはキスの効果があったのでしょうか?



「だから見舞いに来たんだよ。開けてくれ」



「わ、分かりました…」



どうしましょう。どうしましょう!



先輩が私の家に入ってきます!好きな人が私の家に入るんです!



もう心臓がうるさいくらい鳴っています。せっかく下がった体温がまた上がりそうです…。



もう風邪のことなんて一瞬で吹き飛び、焦りと緊張で軽くパニックです。



急いで自分の部屋を片付けて、見せられる程度には綺麗にします。



こ、これで大丈夫でしょうか…?変なものはないですよね?



キョロキョロと周りを見回して確認します。何もないことを確認して、玄関に行きドアを開けました。



ひょこっとドアから顔を出して外を確認します。



「ほ、本当に先輩がいます…!」



外には見慣れた先輩の姿がありました。



嘘みたいです!先輩がわざわざ見舞いに来てくれるなんて!



今日はもう会えないと思っていたのに、こんなサプライズ嬉しすぎます!



1日ぶりに見る先輩があまりに恋しくて、じっと見てしまいました。



すると先輩がついっと目を私から逸らしました。



「…先輩?」



え?え!?今、先輩、目を逸らしましたよね!?



何ですか、今の行動!可愛すぎます!こんなことしたの初めてです!



もしかして少しは意識してくれているのでしょうか!?



ぎゅうっと胸が苦しくなるぐらいときめきます。



わぁ、わぁ!嘘みたいです!先輩が私のこと意識してくれてます!



まさかこんな日が来るなんて!



「見舞いに来てやったんだ。入れてくれ」



あまりの嬉しいさと感動にキュンキュンしていると、そう声をかけられました。



あ、危なかったです…。完全に先輩のこと忘れてました…。



「は、はい!どうぞ…」



どうしましょう。どうしましょう。こんなに上手くいくとは思っていませんでした。



私を意識している先輩が可愛すぎて、こっちの心臓が持ちそうにありません。



ドキドキと緊張で心臓が激しく脈打ちます。



ここが勝負です。もっと先輩を意識させないと!



ドキドキする心臓を奮い立たせて私はこの後のことについて決意するのでした。









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コミカライズは↓↓↓から

https://manga.line.me/product/periodic?id=Z0002280
― 新着の感想 ―
[良い点] おお 交互に書くようにしたんですね より心情が判りやすいと思います [気になる点] 反撃(雨宮)ということは・・・ 神崎に風邪をうつす か?  ないなw [一言] 雨宮ちゃん 熱でぼーっと…
[良い点] 反撃開始?相変わらず可愛いですね
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