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襲撃

約2ヶ月ぶりです。色々ありました。苦シミマス(クリスマス)を過ごしたり、新年siriにおみくじを引いてもらったら凶だったり……。いろんな意味でモチベ低下中です。まあ、とりあえず過去篇は今回で終了です。

では、どうぞ!


ーー襲撃ーー


「ザッ、ザッ、ザッ」


徐々に音が大きくなってくる。最後の練習の時無事に飛ぶことのできたわたしは、約300メートル先にニンゲンの集団を見つけた。それも完全武装した10人ぐらいの集団である。怪しい。と、わたしは思った。何もないことを祈りながら、わたしは急降下で、地上に降りた。それをシルフィーに伝えると、彼女は焦ったようにこう言った。


「それは、討伐隊よ。討伐するものが何かは分からない。けど、高額報酬のためだったら汚れ仕事までする……という、殺しのエキスパートよ。彼らが何を狙ってるかまでは、さすがに分からない。でも、十中八九私たちでしょうね。妖精とか希少生物の羽根はバカみたいに高く売れるから……。」


「じゃあ……どうするの?戦闘はほぼ勝ち目が無いんでしょ。こうなったらやけくそになって戦う?それとも、逃げる?」


「答えはどちらも ノー よ。彼らの典型的なパターンとして、目標を見失った時は、追ってこないの。彼らだってリスクを冒したくないんでしょう。そのまま進んで結界内に閉じ込められたらそのまま昇天するしかなくなるわけだし。とは、言っても結界を壊すだけの火力があれば別だし、透視能力があっても同じ。」


前者は、限りなくゼロに近い。後者は……可能性はある。ここ最近の技術の進歩については目を見張るものがある。


「信じたくないけどここ最近やたらと、標的になることが多くてね。何かしらの方法で見つけられる方法ができたのかもしれない。」


「逃げるのはリスクを伴う。後ろから魔法を撃たれるぐらいならいい。もしも見つかった際に追跡者の魔法でもかけられていたら……。」


一種のイタチごっこのようにひたすら追いかけられる運命が見て取れる。


「それに引き換え、隠れることは、私の魔法で透明化状態にできるし、うまく行かなくても、先制攻撃ができる。2人の力があれば、撃退だって簡単かもしれない。」


「ここは、シルフィーの案に従うよ。でも、もし、危なくなったら速攻で離脱するよ。」


という約束のもとでわたしたちは隠れることにした。


といってもここは平原だ。見渡してもちょっと大きめの岩とアカシア?の木とみられる少々隠れるには心細いものしかない。


「で、どこに隠れるの?みた感じ隠れられるようなものがないんだけど。」


「ちょっとこっちに来て。」


シルフィーが言った。そして言われた場所に近づく。しかし、しばしの間考え込んでいた間に彼女はいなくなっていた。


わたしは声を出して彼女を呼ぼうとした。しかしその声は何者かの手によって遮られる。


「ンッー!ンンッー!」


あまりの恐怖に声を出そうとしたが手で遮られていては何も出来ない。


「しーっ!静かに。私だよ。シルフィーだよ。透明化の魔法使ってるから見えないだろうけど。」


「ハァ……そういうことなら説明してよね!心臓が止まるかと思っちゃったじゃない!」


「だから、それはごめんって言ってるじゃん!どのぐらいこの魔法がすごいか見てもらいたかったからさ……。」


この話が何度か続き、彼女の魔法はすごいということがわかった。


「とりあえず、私にもその魔法お願い。」


「え、もうかかってるよ。」


「でも、自分の姿は見えてるし……仮にもう他からは見えないとしてじゃあなんで私の場所が分かったの?」


「服だよ。今の状態だとまるで幽霊が服を着てるようだよ。」


彼女がクスクス笑いながらそう答えるので私は


「もしかして……裸になんないといけない感じ……じゃないよね。うん。そうじゃないと信じるよ。っていうよりそう言ってくださいお願いします。」


「え?ほんとだよ。じゃあ私は見えないけどなんなの?ってことなんだろうけど、私この大きさになるとき服なんて着替えてた?つまりは幻惑魔法で、服を着せてるように見せただけ。まあ、幻惑魔法はエルフが特化してて、だいたいの人は見破れないけどね。おっと、まずいよ!もうあそこに集団が来てるよ。」


わたしは、なら、幻惑魔法でいないように見せればいいじゃん!と、思ったがどうやらそうも行かないようだ。集団は着実に進んでくる。もう覚悟を決めるしかないようだ。あとでおぼえてろよ。と思い服を脱いでそれを木陰に隠した。


「おっかしいな。エルフをここら辺で見たって聞いて全力で来たのにな。まさか、なんかを察して逃げたのか?」


「おいおい、そりゃあないぜ?こちとら10分もかからないうちに来たのにな?ヤツ、もしかして襲撃することをエルフに伝えた上で両方から情報料金を取ったんじゃないか?」


「あいつ、次会ったらタダじゃおかねえからな!」


それを聞いても挑発の可能性もあると思い、わたしはなんとか行動にうつさずに済んだが、となりにいる心の優しいエルフはさっきとは明らかに態度が違う。見えなくてもわかる。憤り、怒り、それと悲哀。悲哀はどういう意味なのか分からなかったが、とりあえず何かしらするであろうことが分かった。


「……ごめん、結花。私……自分を抑えられない。もう、限界……奴等をもう……許せない!」


「はぁ……。」


と、わたしはため息をつく。この時点でするべきことは決まっていた。もう、後戻りは出来ないかもしれない。覚悟を決めて優しい、いや、優しすぎるエルフに言う。


「しょうがないなぁ……。わたしも手伝ってあげるわよ。なにせ、あなた、いやシルフィーはもう友達だから!」


「えっ……。」


となりの友達は、明らかに驚いた表情をしている、のであろう。


「でも、死ぬかも知れないんだよ!もうこの先が生きていてもなくなる可能性だって……。」


わたしはそれに対し、もう一段階強めて言う。


「もう、決めたの。あなた、シルフィーとわたしは一連托生だって!それに、わたしたち 友達 でしょ!」


一連托生は少し行き過ぎたかな?一方的に言うのは……。そのとき、わたしの友達が後ろからわたしを抱きしめ、小さい嗚咽をもらす。


「う、ううっ……。わたし、今まで自分のこと……嫌いだった。仲間を見捨てた裏切り者だって……故郷の里に敵が近づいているのに気づいていたのは私だけだったのに。なんで、なんでそんな、そんなにも優しくしてくれるの?」


「友達だから。じゃダメなのかな?」


「ううん、ダメじゃない、ダメじゃないんだけど、それが、その姿が過去の親友にあまりにも似ていて……。あれ、おかしいな?目にゴミが入っちゃったみたい。」


そのまま彼女は私に身を添わせてしばしの間泣いた。そこから彼女の温かさ、悲しみが自分のことのように伝わってくる。


「うん……うん。大変だったね。」


諦めたのであろう。わたしたちをたおしに来た討伐隊が去って行く。


「本当にいないみたいだな。さて、あの嘘つきをしばき倒しに行くか。」


その捨てゼリフを残して。


「さて、どうする?わたしはシルフィーについて行くよ。」


わたしはもう一回り成長した友達に聞く。


「倒しに行こう。」


その言葉は、さっきの言葉よりも強く、より明確に信念がこもっていた。


「うん。」


私たちは静かに頷きあった。

作戦なんてない。ぶっつけ本番の1発勝負だ。


「結花……ありがとう。じゃあ、行くよ。」


そう言うとシルフィーは討伐隊に先制攻撃を仕掛けた。それと同時に透明化の効果が切れる。相手に存在を完全に察知されるとこの魔法は切れると言っていたのでわたしの効果が切れるのは当分先だろう。


「やっぱり来やがったか!エルフとはやっぱり感情に左右されやすい生き物だな!」


さっきのシルフィーならそうだっただろう。しかし今は違う。怒りに任せてひたすら魔法を使いまくるのではない。冷静沈着に状況を把握して最善の手を尽くしている。そして、討伐隊のメンバーは全員驚いている。

今、彼女は地上で戦っているのだから。


相手は攻撃してこない。いや、連携がとれていないために攻撃出来ないのだろう。見る限り奴等には近接担当はいないのだろう。魔法使いは魔法攻撃に対し強い。はずなのに魔法攻撃に強い装備をフルに活用している。


「エルフが魔法しか出来ないとでも思ってるのか?答えは、否。誰でも最低限の心得は持っている。わたしは特別だがな。」


その声を聞くと同時にシルフィーの姿を見失う。


「あいつどこ行った?まさか俺たちに恐れをなして逃げたのか?弱っちいヤツめ!」


いや、そうではない。消えたように見えているが実際は高速で動いてるだけだ。


「えっ……。」


討伐隊のメンバーのうちの1人がようやく気づく。よく見るとメンバーの四方に石が置かれている。そいつは仲間に伝えずに一人だけ逃げる。


だが、もう遅い。

その石を角にして結界が展開される。いつもなら気づくのがもう少し早く逃げ出せたであろうメンバーがこうなったのは、挑発を受けたのに冷静沈着なエルフだったのに戸惑い、判断が遅れたからであろう。


「クソッ!このままで終わると思うなよ!?俺が、俺たちがこの人数だけだと誰が言った?もう少しで応援を受けた本隊が来るからな!」


彼の言ったことは嘘では無かった。わずか100メートル後方にはバランスよく編成された5人のチームが近づいている。


「シルフィー!彼の言ったことは本当よ!後ろにより強そうなメンバーが来てる!」


「バカっ!声を出さないで!」


もう、遅かった。完全に感づかれた。それと同時に透明化の効果が切れた。わたしは何をしてしまったのだろう。これでは、足を引っ張るだけだ。しばらくの間立ち尽くす。そう思ってる間にも増援はついてしまった。


「はやっ!」


100メートルその移動時間約10秒。それも全員装備をしている状態でだ。世界新記録レベルでの移動はもはや驚異的と言わざるを得なかった。


こんな化け物に勝てるのか?わたしは恐怖を覚えた。


「勝てるわけが無い……。」


思わずそう口に出してしまう。

だが、すでにわたしは彼女と一連托生、運命共同体なのだ。

彼女はまだ諦める気は無いようだ。そう思ってるうちにも戦闘が始まった。

敵はわたしを戦意喪失とみなしたか、シルフィーだけを狙い圧倒している。


助けなきゃ。


自分ではそう思っているはずなのに、足は意思と反して動かない。

足がガタガタと小刻みに震える。


わたしは何も出来ないのか? こんなにも非力だったのか? 友人がやられていくのを見ることしか出来ないのか? 


自分に厳しく問いかける。


しかし、その程度の力も無いことはもう既存の事実だ。

わたしは羽を手に入れたことに浮かれていたのかもしれない。そう思うと、無性に自分に腹が立つ。


再度自分に問いかける。

 

おい!緋井 結花!わたしは、こんなにも弱かったのか?このまま、 友人を見捨てるのか? 

その言葉に反応したかのようにピクリと体が動く。その言葉を機に体は拘束から解かれた。


「シ、シルフィーを離せ!」


一斉にこちらを振り向く。やはり、怖い。だが、先程のような硬直は無い。と、言うよりも相手が硬直している。何はともあれ、


「今よ!この隙に!」


シルフィーは強化者(エンチャンター)だ。普通に魔法も強いが自身の能力を高めることにも秀でている。

もちろん、この隙を彼女が逃すことも無く、自身を強化した。そこからは圧倒、とは言えなかったが危ない場面も特には無く安定して勝利することができた。彼らも結界の中にぶち込み、とりあえず一安心だ。


「お疲れ様。強化した後強すぎない?あんなに能力上がるものなの?」


「まあね。ある程度 熟練度 が上がればだけど。」


そうなのか、とわたしは思った。熟練度なるものが上がればそこそこの魔法でも結構強くなるらしい。


「ところで、この人達はどうするの?」


「うーん、警察でも呼んで牢獄にぶち込んでもらおうか。」


彼らは法に触れることをした。それなりの覚悟はあるのだろう。


「じゃあ、それで決まりで。」


警察は5分後に来た。


1人1人に魔力無効化手錠がかけられるのを確認して、警察は敬礼してその場を去った。

でもなぜ、警察の人はわたしをチラチラ見ていたのだろう?


「それにしても、ね。よく その格好 でみんなの前に出れたね。何はともあれ助かったけども。あと、透明化の魔法の件はごめんね。

あれもちろん、嘘だよ。そのまま戦闘に入るとは思わなかったからさ、からかったんだ。」


そしてまたしても、自分の置かれている状況に遅れて気づく。


「シ、シルフィー!?」


怒りMAXである。


「ひい、ふう、みい。えっと、警察が10人で……討伐隊のメンバーが追加含め20人ぐらいだから……30人。30発ね。それで許してあげる。」


「ちょ、ちょっとタンマ、タンマァァ!」


「問答無用!」


と言い、わたしはシルフィーに30発とおまけに10発ほどぶち込んだ。完全に許せるまでは、およそ一時間かかった。」


とりあえず、あり合わせのものでワンピースを作った。魔法の加護をかけたのでそれなりの強さだろう。


で、それから30分後彼らに会ったのである。


こうしてニンゲン2.5人エルフ1.0人精霊0.5人スライム1.0匹という世にも珍しいパーティーが結成された。

かなり、久々の投稿でストーリーがぶっ飛んでいたことでしょうw。今回は、ある意味で言えば、導入部です。さて、次回ですが、早くて明日、遅くても2週間の間に出します!いろいろ人が増えますよ。情報整理もしないとな……。では、また次回!

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