俺の弱点属性……
随分お久しぶりです。はい。1ヵ月がたちました。
色々なことがありました。おのれ、中間テスト。
成績?知らんな。
という話は置いといて、この話は前作の続きです。見てない方はそちらを先にどうぞ。
ある意味で言えば異世界です。未来500年後今の人類はどうなっているのだろう……?モンスターがはびこる世界に怯える日々?それとも、なんでもかんでも駆逐してやる!的なw
そう言っても今回平和回ですけどね。
自分的にはモチベの差が若干気になることもありましたが、見てもらった方が早いかと。
では、どうぞ。
ーーこの世界とはーー
徐々に視界が戻ってくる。
うーんと、街はどこだ?お、あった。さて、戦闘なしに切り抜けられるか?
(さて、まずは起こさないとな。)
それを察知したのかユウヒは
「あと5分だけ、あと5分だけねかせて〜。」
と、いかにも眠そうな声を出した。
(兄妹の絆という意思疎通がいかに便利かわかる。
日常では、こういう風に便利だし、
戦闘では、掛け声なしに連携できる。)
「寝ててもいいけど、走るから落ちるなよ。」
「わかった。」
(絆というチートスキルがあるにもかかわらず、
こうして声を出して意思疎通しているのは、
なれていないからか、
なんか、味気ないからだろうか)
と思いながらも俺は、
あのAIに指示された通りに、街を目指す。
走りながら俺は、モンスターがいないか周りを見渡した。すると、何メートルか毎にモンスターの群れが見えた。
(なるほど、モンスターにも縄張り意識があるのか。)
俺がモンスターをみてもいたって冷静なのは、言うまでもなく ゲーム の影響だろう。
見た感じいるのは、ゴブリン、コボルト、狼だ。
(狼はモンスターとは言いがたい、が)
たしかにここは俺たちのいた世界とは違うことが見て受け取れる。
雑魚クラスのモンスターだろうか。そう思いながら周りを見渡していた。
気がつくと、粘液質の不定形のモンスターが通せんぼしていた。
「まあ、こいつなら倒せるかな。」
「プルプル、僕悪いスライムじゃ(ry」
(こいつならもし、襲われても大丈夫だろう。話してみるか。)
「じゃあ、何の用で?」
「実は……」
「つまり、君は味方だと思っていたモンスターに仲間が殺されて今、一匹なんだね。
で、僕たちの仲間に入れて欲しいと。
それは君が、裏切り者になるって覚悟の上で言っているんだね。
それなら俺は止めないけど……ユウヒはどう思う?」
「おはよう、お兄ちゃん。で、何についての話?」
(おい、ウソだろ!?走ってた俺の上でも熟睡するのか!?)
「えっと、まず……
……ってことなんだ。どう思う?俺は止めないつもり。」
「うーん、別にいいけど……実力知っといたほうがいいんじゃない?」
「それもそうだな。
というわけで、少し模擬戦で、実力を教えてくれる?」
「わかった。
でもここじゃ、邪魔が入ってくるから場所を変えたほうがいいよ。」
「それなら心配いらないよ。な、ユウヒ」
「5分だけでいい?」
「それだけあれば十分だよ」
というとユウヒは、半径約5メートルの球体状のバリアを展開した。
(相変わらずすごいな)
と、俺は感心しつつも戦闘の準備に入った……のだが勝負は一瞬で決まった。
結果は、もちろん俺の勝ちだ……と、言いたいところだったが、俺は負けてしまった。
負けた要因は、
まず、粘液質の生物の特徴とも言える液体状に溶けることで大体の攻撃を無効化し、
そこから素早い動きで俺の下まで来て
俺の足に絡みついた。
それにより俺は転倒し、地面に頭突きを叩き込んだ。
それだけなら良かったのだが、まだ終わらない。
相手は全身に絡みついて来た。
足から徐々に全身のコントロールを奪ってきたのだ。
そのときの、なんとも言い表しがたい感覚といったら……
なんというかヌメヌメした物体が
気持ちに反するかたちで少しずつ侵食してきてくすぐったいというか……
気持ち悪いというか……
気持ち良いというか……。
もし、ユウヒがやられていたらなぁ……。
それはそれであr……おっと、ここら辺にしとかないとな。
で、最終的に口と鼻を塞がれてギブアップという形で俺は負けたのだ。
ということで、粘液質の生物の実力は問題なかった。
「実力は問題なしか。……っていうか普通に強くね!?他のやられた仲間もこんなに強かったの?」
「いや、僕だけ格が違ったの。」
「ふむふむなるほどね……ところで、名前聞いてなかったから自己紹介しようか。」
「俺の名前は、影野 蒼。
気分的 に 勇者 やってます。」
「私の名前は、影野 ユウヒ。
気分的にヒーラーやってるんだけどアタッカーの方がやりたいな。いわゆる、バーサクヒーラーってやつ。」
「僕に名前は無いんだ……。
僕たちの種族は基本的に番号で呼び合うんだ。一応言うなら3が僕の番号。」
「じゃあなんか関係ある名前を考えようか。」
(3か。スリーは……無いな。三郎……うーん、これを言ってみるか。)
「三郎ってのh……。」
「却下。っていうかなめてんの?もう一度窒息させるよ。」
「いやいや、勘弁、勘弁。実際ダメだろうなと思って言ったから。
で、ユウヒはなんか思いついたか?」
「うーん、三鈴ってのはどう?」
「それ、いいね!」
「おいおい、いくらなんでも男(の子)?にそれは無いだろ。」
「はぁ!?何言ってんの?僕、女だよ!」
「いや、でも僕って言ってたし……。」
「お兄ちゃんサイテー!」
グフッ!
俺は、ユウヒから 精神 にダイレクトアタックを受けた。精神に50ポイントのダメージ!
俺は視界が真っ白になった……
「あれ、お兄ちゃん!?ダメだ。失神してる。」
(このとき俺の弱点属性に妹が追加された。)
「で、僕は三鈴を名乗らせてもらうよ。じゃあ、改めて影野 三鈴です。よろしく!あ、影野っていう姓を名乗っているのは、一応、養子ってことで。」
「えっと、それって……。」
とユウヒが言ったその刹那、三鈴を中心にまばゆい光が放たれた。
光が収束すると、そこに三鈴の姿は見えなかった。代わりに、蒼髪の女の子が立っていた。
「お姉さん、とそこの倒れてる人大丈夫だった?
スライムに襲われているのが見えたから。」
「う、ウソでしょ。三鈴……。」
ユウヒはそういい地面に崩れ落ちた。
それを見ていた女の子は言った。
「お姉さんたちモンスターテイマーだったのか?」
「それなら、悪いことしちゃったな」
「……リザレクション。」
ユウヒは話の要点を聞きながらも呪文を詠唱していた。
もう一度まばゆい光が辺りを包み込む。
そこには、スライム改め三鈴の姿があった。
「よかった……。間に合って。」
「お姉さんすごいよ!その魔法って、失われた魔法なんだよ!?
それにみる限り、 失敗の代償 だってないみたいだし……
それができるのは、もう一人もいないって習ったのに……ほんとすごいよ!」
「ほめてくれるのは嬉しいけど、ちょっと今は……魔力、使いすぎたから。それより、三鈴に謝ってくれる?」
「えっと、スライム……じゃなくて三鈴さん。申し訳ありませんでした。」
女の子は、できる限りの敬語を使い、謝った。
「うん、大丈夫。
ちょっと、体の組成を変えるときは、全体的にすごく脆くなっちゃうから。」
「えっ、それって……。」
その言葉を遮る形で三鈴は言った。
「ちょっとみんな後ろ向いてて、いいよって言うまでこっち見ないで。」
30秒ぐらいして
「もう、いいよ。」
と言う声がした。
そして、後ろを見ると、お兄ちゃんがいた。しかし、何かが違う。女の子には、わからないようだが、
兄妹の私にはすぐわかった。
「なんか、髪の色がいつもと少し違う気が……」
「じゃあ、これでどうかな?」
そう言うと、お兄ちゃん?は髪を撫でた。
「あれ?色が変わってる。元の色になってる。」
そして、今気づいた。後ろの岩陰に誰かの足が……。
「っていうことは……もしかして三鈴?」
「ご名答!まさか、髪の色の違いに気づくとはね。
よっぽど、お兄ちゃんのことがすk……」
「あー!アンナトコロニ、オニイチャンガー!」
明らかに棒読みである。
俺は実際、三鈴に コピー と言うべき能力を使用されていたときには失神から目覚めていたのだが、面白そうなのでそのまま放っておいた。
(さて、そろそろバレるとまずいな。)
俺は
「うーん、あれ……ここは。」
と言いながら、起き上がった。
おもむろに、辺りを見回し、もう一人の自分の姿に気づく。
そして、その近くにいるユウヒと……誰か女の子の姿に気づく。
「えーっと、おはよう?なのかな。
で、ユウヒ今の状況を説明してくれる?」
「うーんとね。こういうことがあって……。」
「なるほどね。で、俺たちは街に行くんだけど……君は、どうするの?」
「えっと、いっしょに行ってもいいですか?」
「それだと親が心配したりしない?」
「お父さん、お母さん……か、なつかしいな……。
3年前にモンスターに襲われて…わたしだけが助かった……。あのとき、わたしが……。」
いかがでしたか。想像以上に過去編が楽しくて止まらない結果次回へ持ち越しという……。
なんだろう。過去をほじくり返すのってすごく楽しいんです。
ゲスいと言われてもしょうがありません。楽しいのがいけないんです!
次回も丸々過去編かな……?
ではまた次のやつで……。
おのれ中間テスト、期末……死にそう……。