二話
【適正化】
異世界へと召喚され早一週間。
ようやく俺をこの洞窟から脱出させてくれるかもしれない人に出会った、まさに救世主。
その救世主はなぜか俺に剣を突き付け宝の場所へ案内しろという。
その救世主はなぜか俺に剣を突き付け早く歩けとせっつく
そのきゅう)ry………最悪な少女に出会いってしまった。
「ねぇあんた、私の事を知らないってことは新人の冒険者ってことね?」
「えっと、まぁ一応………」
(冒険者ではないけどな)
歯切れ悪い俺に少女はなぜかいらいらとした様子を見せる。
「いいこと!私はエレナ、Aランクのエレナ=スカーレットよ!覚えておきなさい」
ふんっ!と剣を顔に突き付けてにらみつけるエレナ。
Aランクがどれほどのものなのかわからないが、彼女の態度でかなり高ランカーであることは伝わってくる。
「それで、そのエレナさんはなぜここに?」
「あんたなんも考えずにここに来たわけ?あきれた。ここがどこだか知ってるわよね」
「ここですか?いえ、その、お……私はここにきてすぐに転移させられてあの場所にいたので何も」
「わからないで来たってわけ?命知らずにもほどがある。ここは難易度SSSランクの高位ダンジョンよ。あんたみたいなひよっこが来るようなとこじゃないっての」
話す間に、エレナは俺が危険対象ではないと考えたのか表情が柔らかくなっている。
俺としては、警戒が説かれたことはうれしかったが、エレナの言葉に焦りを覚える。
SSSランクの高位ダンジョンだって!?おいおい、まだ戦い方もわからないのにかなりやばい場所に転移してしまったみたいだ。
前召喚された世界でもダンジョンはあった、しかしその世界では魔王との戦争を優先していたため勇者として俺はダンジョンというものに行ったことはなかった。
ダンジョンは世界の神によって作られた人間に対する試練のような場所であり、難易度ごとに振り分けられる。SSSランクはダンジョンの中でも特別なダンジョンだ。その内容はわからないが
「えっとエレナさん。あなたが探しているアイテムを探し終えたら、私を地上まで連れて行ってくれませんか?」
「いいわよ、それくらい。でもただってわけじゃないんでしょ?」
ほれほれと何か出せって表情をしてやがる。
だがしかし、俺は何も持っていない。さて、……どうするか
「あの、何も出せるものがないので、そのうち稼いだらお金もってきます」
「ふん、そんなあてにならないものは私はいらない」
エレナは歩くスピードを上げる、ほんとに俺を置いていこうとしているようだ。
まずいまずいまずい!!
人間というものは焦りを感じるとトンでもないことを口にしてしまうもので……
「な、なら俺を上げますから!!」
………何を言っている、俺?
「へぇ、あんたを……ねぇ。いいわ、あんたを私の召使にしてあげる」
ふふっ。と笑顔を浮かべるエレナに俺はひぃと身を引く。
彼女の妖艶しい表情と共に何かしらいやな予感がすると頭が警戒音をならす。
「で? あんた名前なんていうのかしら」
「私、私は日向、田中日向です」
「ヒナタ? じゃあヒナ、まだひよっこのあんたに何をやらしても何にも役に立たないのはわかってるわ。あんたにはダンジョン外で私を手伝ってもらいましょうかしら」
ちょうど実験台がほしかったしっという小声が聞こえた気がするが気のせいだろう。
逃げたい気持ちはあるが、地上にいけないことにはどうしようもない、か。
俺は自分のステータスを確認する
name;ヒナ 【適正化中】
性別:女性
Level:001
称号:巫女 回復役 属性付与 エレナの女 神性魔法の初心者 ダンジョン攻略者 ??? ???
属性:光 回復 属性付与 神性魔法 ??? ???
HP:100
MP:100
「どういうこと?」
ステータスが変化している?いや、しかもレベルも低下しているってどういうことだ?
使える属性もなぜか増えているし、なんだかわからなくなってきた。
「なにしてんの? 早く来なさい」
「……はい」
どうやら、立ち止まってしまっていたみたいだ。
と、とりあえず落ち着け俺。ここは異世界だ。何が起こるかわからない世界なんだから。
ふぅといったん落ち着く。
エレナの後ろを歩きながらステータスの属性が開けることに気づく
【回復】
Level1:癒しの光 MP消費:10 HP100回復
Level1:邪気への光 MP消費:50 状態異常回復
??? Levelが足りません
【属性付与】
Level1:炎の付与 MP消費:10 武器に炎属性付与
Level1:水の付与 MP消費:10 武器に水属性付与
Level1:風の付与 MP消費:10 武器に風属性付与
??? :Levelが足りません
【神性魔法】
Level1:死者蘇生 MP消費:10000 死者を蘇生(一日以内のみ可能)
??? :Levelが足りません
ほう、どうやら完全な後衛職みたいだなっと考える俺だった。
てか、エレナの女ってなんだよ……