第2話 『整理』
今回は説明文になります。
一応ユート視点です。
双子の誕生から1ヶ月。
やっとここでの生活に慣れてきたなと思いつつ、そういえば色々と情報の整理ができていなかったなと気づき、一度今まで得た情報を整理していくことに決めた。
まずはこの家のこと。
この家は街の外れのほうにあり、周りに建つ家の数は少ない。
家は中世ヨーロッパ時代に主流となっていた家に似ており、レンガと木材を組み合わせて作られている。
家の近くに森があり、そこでは獰猛な生き物や魔獣が出るらしい。たまに親父が持ち帰ってくる動物はその森でか狩っているのだろうか?
何にせよ、森に近づかない限り危険なことはないそうなので一安心だ。
次にこの家に住んでいる人達のこと。
全員でこの家には俺を除いて4人住んでいる。
1人目は親父。
親父の名前はホーキンス。
髪は金髪のショートヘアーで目は赤色。
いつも快活な笑い声をあげ皆の中心のような存在だ。さしずめ我が家のムードメーカーと言った所か。
そして何より注目すべきなのはその体だろう。身長は目算だが2m弱ぐらいだろうか?とにかくデカイ。そしてその体の全てが隆々とした筋肉に支えられている。
日本語で言う所のガチムキだろう。
あの巨体から放たれた鼻デコピンのことを思い出すだけで今でも震え上がる。
2人目は母さん。
母さんの名前はカトレア。
体はそれほど大きくなく、身長は160cmぐらいだろう。
髪は黒いロングヘアー、目は青色で少しタレ目の美人さんだ。
性格はおっとりしていて、とてもマイペースなようだ。
…そして巨乳である。
ここ1ヶ月栄養摂取という理由で合法的にその胸に顔をうずめたが、もうこの為だけに転成してきたと言っても過言ではない程素晴らしいものだった…。
3人目は使用人さん。
使用人さんの名前はヒイラギ。
身長は170cm程でとてもスラッとした体をしている。
髪は藍色のミディアム、目は黒色でキリッとしている。
言われた仕事は迅速対応、言われていない仕事もキッチリこなすスーパー秘書のような人だ。
母が自分たちの世話をできない時はいつも代わりにやってくれている。その時に見せる微笑みにたまにドキッとくる。
そして最後に我が妹カンナのこと。
体の特徴は前に述べたとおり。
カンナは俺の寝ているベビーベッドの隣のベビーベッドに寝ている。
基本泣くことと寝ることを繰り返している。赤ちゃんならそれが普通か。
あまり笑っている顔を見せてくれないのが残念だ。
だがまぁカンナを観察するのは、1日の大半を寝て過ごす俺の密かな楽しみである。
俺の脳内では毎日キチンとカンナ成長日記がつけられているのだ。
以上の面々が我が家に住んでいる住人達だ。
皆良い人そうで暮らしも悪くはなさそうだ。
転生先をこの家にしてくれたのは神様の優しさなのだろうか?心の中であの少女神様に感謝しておこう。
そして最後に自分のことについても整理しておこう。
まず神様から言われた通り『ステータス』と口に出してみた結果がこれだ。
《ユート》
種族:人族
年齢:0歳(1ヶ月)
レベル:1
HP:100/100
MP:100/100
攻撃力:50
防御力:50
俊敏力:50
魔攻撃力:50
魔防御力:50
スキル:管理(ステータス管理)
この表が俺の頭の中に浮かんできた。
ゲームのようになってるのには驚いたが、自分の能力を数値化して見ることができるからとても便利だ。
ゲームのルールに乗っとるなら、おそらくレベルが上がるにつれて能力も上昇していくのだろう。
レベルの上げ方などはまだハッキリとは分からないが、魔獣かなんかを倒してたら愉快な音楽とともにレベルアップするに違いない。
まぁレベルアップの方法の模索、実践はまだこの体では何もできないので後回しにするとして…。
問題は俺の持つスキルである。
スキル欄にあるこの管理という能力、おそらくこれこそが神様が俺にくれたチートなのだろう。
このワードだけじゃ何も分からないと思い、もっと詳しく、と念じたらこのような説明が出てきた。
スキル名《管理》:様々なものを管理、制御できるようになるスキル。
•ステータス管理:自分の攻撃力、防御力、俊敏力、魔攻撃力、魔防御力の数値を自信で振り分けることができる。ただし合計の数値は変えることができない。
ピンと来ないかもしれないので実際にスキルを使ってみよう。
今回は攻撃力に特化させるとする。
…するとこうなる。
攻撃力:50→250
防御力:50→0
俊敏力:50→0
魔攻撃力:50→0
魔防御力:50→0
他はへっぽこになってしまうが攻撃力は実に5倍になった。
一瞬これ本当にチート?そんなに強くなさそうだけど?って思うかとしれない。
しかし、考えてみるといい。
例えば、強力な魔獣と遭遇して撤退するとき、攻撃力、魔攻撃力なんて能力は微塵もいらない。
そんな時にこのスキルでその2つの能力の数値を俊敏力に振り分けてやるだけで俊敏力は3倍になり、いつもの3倍のスピードで逃げることができるのである。
そう考えると十分に強いチートだろう。
このチートなんか地味でダサくね?って思うかもしれない。
しかし、考えてみるといい。
無駄に派手で威力の高すぎるチートなんて、異世界でのんびりしたい俺にとって全くもって必要ないのである。
そんなチートを持ってることがバレたら、周りから嫉妬の目で見られたり、強い魔獣と戦わされたりするかもしれない。
そんなことになったらゆっくりなんてしていられなくなるだろう。
などなどの点からこのチートは異世界生活をのんびり送るための素晴らしいチートであることが判明した。
神様には超感謝している。
これさえあれば俺は異世界のほほんライフを満喫することができそうだ。
とまぁ、これぐらいがここ1ヶ月で分かったことかな。
だがまだまだ知らないことが多いのでこれからも情報収集に励もうと思っている。
知識は持っておいて損は無いはずだ。
俺の休暇のためにも今の内に吸収できるものは吸収しておかないとな。
そして、俺はこれからの明るい未来のことを色々考えながら瞼を閉じた。
明日も明後日も今日のように平和な日が続くのだろう。
そう思いながら。
そうあって欲しかった…。
読んでいたたぎありがとうございます。
説明文書くのが難しすぎました…。
これからもよろしくお願いします。