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妹のせいでゆっくりできねぇ!!  作者: あっっつ
1章 幼年期編
2/3

第1話 『双子誕生』

どうもあっっつです。

初めてブックマークされました!!

ブックマークしていただいた人に感謝を。

これからも期待に応えれるよう頑張ります。

「おめでとうございます、奥様!!男の子が生まれましたよ!!」



「はぁはぁ…良かったわ。生まれてきてくれてありがとうね。」



「よく頑張ったぞ!!カトレア!!」



周囲が急に騒がしくなってきたことで悠斗は転生が成功したんだということを知り、少しずつ目を開ける。


そしてまずは自分の状態を確認する。



(うぉっ、俺マジで赤ちゃんになってるよ!!信じられねぇ…。まぁ無事に転生が成功して良かったよ。)



続いて周りの状況を確認する。



(あそこでグッタリしてるのがお母さんっぽいな。それで今俺のことを抱いてくれている女の人はこの家の使用人かな?メイド服着てるし。…それでお母さんの左隣にいるアタフタしてる奴はお父さん…なのか?)



と、一通り確認していると、周りの人が不安を顔に浮かべこちらをジッと見ていることに気付いた。



「おい、ヒイラギ!!俺達の息子は何故泣かないんだ!?」



お父さんが泣きそうな顔で使用人の肩をゆする。



「すいません、旦那様!!私にも分かりません!!」




ここで悠斗は周りの皆が何故不安な顔をしているのかに気付いた。



(あぁ、みんな俺が泣かないことで不安になっているのか。赤ちゃんなんて泣いてなんぼだもんな。てか、皆が言ってる言葉が分かるな。日本語ではなさそうだけど…。まぁ、どうせ神様からのチートの一つだろう。


それにしてもなぁ、皆を安心させる為に泣いてやりたいんだけど、なにしろ俺の精神年齢は38歳、そんな簡単に涙なんか出ないんだわ。)



悠斗が心の中で申し訳ない顔をしていると、使用人であるヒイラギが爆弾発言をしてきた。



「奥様、旦那様!!私の故郷には『泣かぬ赤子の鼻デコピン』という諺があります!!このままでは赤ちゃんが死んでしまうかもしれません!!一か八かお試ししてはどうでしょうか!?」



その言葉を聞き悠斗は内心青ざめる。



(おいおい、マジかよ。やめてくれよ。…まさか本当に鼻デコピンしないよな?そんなことしなくても俺はバリバリ元気だぜ?)



「分かった!!俺が鼻デコピンをしよう!!このまま何もせずに息子の死を待つよりはましだ!!」



お父さんはそう言い中指を往復させ素振りをしている。



(おいおいおいおい!!やめてくれよ!!こんなモチモチしてる身体にデコピンなんか食らわしたら超痛いにきまってるじゃねぇか!!)



「ホーキンス、頼んだわよ。」



カトレアは細い声でそう言い、祈るような目でこちらを見ている。



そして遂にホーキンスは親指と中指で作った輪っかを悠斗の鼻の前に持ってきて叫ぶ。



「戻って来ぉぉぉぉぉぉい!!」



(やめてぇぇぇぇぇぇぇえ!!)



そして、ホーキンスのギリギリと力を溜めていた中指が親指から解放された。





ーバチンッーー



その音は静寂に包まれていた部屋中に響き渡った。



「おぎゃぁぁぁぁ!!(くそ痛ぇぇぇぇ!!。)」



「戻って来たぁぁぁぁ!!」




悠斗とホーキンスの叫び声が部屋中にこだまする。



カトレアとヒイラギも無事悠斗が産声(叫び声)をあげてくれたことに胸を撫で下ろす。



(お父さん、いやクソ親父、何やってくれてんだよ!!いやマジで!!赤ちゃんの身体の振動伝達率半端ないんだって!!頭のてっぺんからつま先まで震えて超痛ぇよ!!)



「おぎゃあおぎゃあ(痛い痛い痛い痛い)。」



俺の叫び声を皆は温かい目で見てくる。



そして悠斗を近くにあったベビーベッドの上に乗せる。



(くっそぉ、お前ら覚えてろよぉ。)



悠斗が痛みに打ちひしがれる中、皆は一つの山場を超えたような顔をしていたが、その顔もヒイラギの声により一気にまた険しいものへと変わる。



「奥様、2人目も手早く産んでしまいましょう。少々時間が経ちすぎています。奥様の体力も心配です。」



「えぇ、そうね。ヒイラギの言う通りだわ。それに早くお腹の中の2人目も外に出してあげないと可哀想だわ。」



カトレアがそう言うとカトレアとヒイラギはもう一度出産の準備に取り掛かり、ホーキンスはまたもやアタフタし始めた。



(へぇ、双子なのかぁ。俺が先に生まれたからお兄ちゃんになるのかな?)



痛みの波を乗り越えた悠斗は皆の様子をじーっと見つめ、自分がお兄ちゃんになるということに幾らかの喜びを感じていた。

悠斗は生前一人っ子であったので、兄妹が欲しいと思ったことも度々あったのだ。







そして2人目の出産を見守ること数時間。



「おぎゃあ、おぎゃあ、おぎゃあ。」



悠斗とは打って変わって、生まれた瞬間張り裂けんばかりの大きな声で赤ちゃんが泣く。


この世界にまた1つ命が芽生えた。



クリッとした瞳に、少ないが金色の髪も生えてる。体の大きさは標準より小さめではなかろうか。だが元気いっぱい泣いているので体が弱いとかそういうことではなさそうだ。



「奥様、元気な女の子が生まれました!!

出産、お疲れ様です。」



「ぐすっ、かとれあぁ。よく俺達の子供を産んでくれた。お前も無事で良かったよぉぉ。」



「もぉ、どうしてホーキンスが泣くのよ。」



皆の微笑ましい会話が聞こえてくる。


双子の出産という大仕事を終えたことで皆疲れきっていたが、その顔には2人もの子供がこの世に生を受けたことに対する喜びが映し出されていた。



暫くして、双子は横たわっているカトレアの

両隣りに置かれ、カトレアからの言葉を聞く。



「あなた達の名前はもう考えてあるわ。

お兄ちゃんの方はユート、妹の方はカンナ。

ふふふ、男の子と女の子1人ずつ生まれてきてくれてとても嬉しいわ。

これからよろしくね、2人とも。」



(俺の名前は地球の時と同じか。…そして妹の名前はカンナか。

まぁ俺にはチートもあるし妹1人ぐらいキッチリ守っていけるか。それぐらいならゆっくりしながらでもできるだろ。)



なんてお兄ちゃんらしいことを考えていた悠斗であったが、まさかこの妹のせいで異世界長期休暇が潰れるなんてまだこの時は夢にも思ってなかったのであった。



読んでくれてありがとうございます。

こんな駄文を読んでいただいてとても感謝しております。

これからもよろしくお願いします。

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