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蒼の英雄  作者: 夏休み中二病患者
6/8

ナント攻略作戦開始

1941年4月9日朝7時半、まだ日が登ったばかりのカーン飛行場に、緊急入電がはいる。


「司令、緊急入電です!フージェール攻撃隊がレンヌ飛行場及び、その周辺の敵の攻撃に成功!敵の被害甚大、味方損失なし!奇跡だ!」


報告を聞いて大喜びする通信士達とは逆に、基地司令バウムガルテンは、特段喜ぶ様子を見せず、冷静に状況を分析していた。


「損失ゼロとは驚いたな。敵は何をしてたのか・・・・・・」


「陸軍の工作部隊が敵のレーダー基地を無効していた様です」


「なるほど、流石はオストラント陸軍だな。ところでこちらのレーダーに反応はあるか?」


「今の所は全くありません」


「どうやら本当に奇襲は成功したようだな。ウェールズから飛行機が飛んで来ない所を見ると、奴等も寝耳に水だったのだろう。第二波の攻撃はいつか報告は来てるか?」


「はい。予定通り10分後です。陸軍も進撃を開始した様です」


「わかった。第二波までは無傷で行けそうだな。問題は30分後に行われる第三波か・・・・・・。そろそろウェールズが動き出しそうだな」


バウムガルテンが次々に入って来る報告を聞いている時、滑走路のbf109のコックピットで、ガタガタ震える一人の青年がいた。


「ついに始まった。結局昨日は眠れなかった・・・・・・」


ヨハンは緊張して眠れなかった様だ。


「なんだ、寝なかったのか?昨日寝ろって言ったろ」

「うわ!ファルケンベルク大尉!?」


いつの間にか、コックピット横にファルケンベルクがいた。それに気が付かない程に、ヨハンは緊張しているのだ。


「まぁ、誰でも最初はそうだ。とりあえず今日のお前に出来ることは、僚機のハンスにピッタリくっついて行く事と、ハンスを信じて指示にしっかり従う事だ」


「はい・・・・・・」


「とにかく暫くは敵を落とすとか、余計な事は考えなくていい。ただハンスの指示に従って飛べば良いんだ。そう考えれば少しは楽だろ。それに奴は一度も僚機を失った事がない、安心しろ」


「はい、了解です」


ベテランの励ましが、新人ヨハンの心をほぐした。


「よし、俺も自分の機体の所に戻るとするか」

「はい、ありがとうございました!」

「いいって、いいって・・・・・・あっ、そうだ」


ファルケンベルクは、自分の顎髭を一本引き抜いて、コックピットに投げ入れた。


「それは幸運の髭だ。持ってると落ちないぞ」


そう言うと、ファルケンベルクはヨハンの元から去って行った。


「あ、ありがとうございます・・・・・・」

(うわ、いらねぇ・・・・・・)


ファルケンベルクの一風変わった贈り物に、困惑するヨハンであったが、そこからはファルケンベルクの優しさを感じる事が出来た。


「ファルケンベルク大尉は頼りなるなぁ。流石はうちの部隊長だ!良く見ると全員に声をかけてるのか。以外に細かい人なんだ」


ファルケンベルクは、自分の部隊員1人1人に声をかけて、皆の緊張を少しでもほぐそうと努めている。この細かさがjg2のパイロット達から、絶大な信頼を寄せられてる理由の一つである。

しかしこの行為は、出撃が近い、と言う事を表してもいた。


ヨハンの初陣が迫って来ている。


『だから髭はいらねぇって言ってるだろ!オッサン!!』

『俺からすればハンスもまだまださ。ありがたく貰っておけ』


「はは・・・・・・皆にあげてるんだこれ・・・・・・」

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