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蒼の英雄  作者: 夏休み中二病患者
4/8

落ちない様に頑張れよ

「かえれ!」

「帰りません!」

「チッ、強情なやつだ。俺はお前を助けたりなんかしないって言ってるだろ!」

「帰りません!」

「クソ面倒くさい奴だな。お前は『帰りません』しか言えないのかよ」

「帰りません!」


ハンスとヨハンが言い争いを始めてから、30分が経とうとしていた。


「おい、もうそこまでにしねぇかハンス。年貢の納め時だよ」


ハンガーの奥の方から、顎髭を生やしたガタイの良い、まるでバイキングのような男が出てきた。


「なんだよ、おっさんいたのかよ」

「あぁ、奥にある椅子で寝たんだけどな。お前たちがうるさいから起きちまったよ」

「それはすまなかったな」

「中尉、こちらの方はお知り合いですか?」

「知り合い?お前このおっさん知らないのか?」

「えっ?あっ、はい」


ハンスはため息混じりに説明する。


「いいか?このおっさんが俺たちjg2隊長兼第一大隊隊長で、世界第一位の撃墜数を誇るエースパイロット、ファルケンベルク大尉だ」

「なっ!こ、これは失礼しました!!」

「よせやい、照れるだろ」


ファルケンベルクは20年前の世界大戦のエースパイロットで、今大戦を合わせると302機を撃墜している。これは世界一の記録である。乗機のbf109の機首には金色の鷲が描かれている。


「で、ハンスよ。お前もオストラント軍人なら、いつまでも下らねぇことしてねぇで後進の育成に励め。ラルフの奴は向こうで上手くやってるみたいだぞ?もう二人もエースを産み出してるらしいじゃないか。それにロッテ組まないで一人で飛ばれると俺も指示が出しずらい」

「あぁ~!もうわかったわかった!ちょっとからかっただけじゃないか」

「そうなんですか中尉?」


ヨハンがギロリとハンスを睨む。


「・・・・・・そうだよ」

「がっはっはっ!だそうだ坊主」

「本当ですかね?結構本気の様な気がしましたが・・・・・・」

「まぁ、いいじゃねぇか。とりあえずハンスは一緒に飛んでくれるみたいだぞ」

「そ、そうですね!大体おかしいと思ったんです。着任してすぐに大規模な作戦に従事するなんて」

「ん?何言ってんだ坊主。その話は本当だぞ」

「え?」


ちょうどその時、基地内のスピーカーから放送が流れた。


《本日、司令官から重大な発表がある。全パイロットは午後7時にブリーフィングルームに集合せよ。繰り返す、全パイロットは午後7時にブリーフィングルームに集合せよ》


「ほらな坊主。落ちない様に頑張れよ!」

「えぇーーーー!?」



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