ぼくらの証
古めかしい カメラを
そっと 覗いて見てみると
そこに 映っていたのは
淡く揺らめく 幾ばくかの影
ある者は泣き ある者は笑い
ある者は哀しみ ある者は歓び
落とさぬようにと 胸に抱えた
その 大きな紙切れは
さしずめ 未来の道程か
もしくは 過去の栄光か
ずれるピントを 合わせ
震える手を 抑えて
遠のき 霞んだ風景を
しっかりと そのレンズに捉えた
さようなら、ぼくらの××。
ファインダー越しに 別れを告げて
セピア色に褪せていく世界を切り取った
ぼくらが ぼくらだった証を残すために
思えばいと疾しこの年月、の延長線上です。
くすんだ輝きを元の光に戻すには、自分次第。
そんな思いを込めたり込めなかったり、な詩でした。