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蒼の狼  作者: 宮野狐々
#0
4/14

#0 【4】

挙動不審先生。早速天然キャラ発動です。

…でもこれはまだまだ序の口だったりします。

「お父さん……どこにいるの?」


そう言っても、答えは帰ってこないという事は分かっていたが、いなくなった日の事を思い出すと、言わずにはいられなかった。


カリカリカリ……


閑散とした教室の中、ペンを走らせる音だけが聞こえる。振り返ると、丁度先生がペンを置いたところだった。


額の汗を拭って長い黒髪を揺らしながら、先生は『はい』と言って、成績表を差し出した。


「あ、ありがとうございます」


軽く返事をして、差し出された成績表に手を伸ばす。



……気のせいだろうか。先生の手が、微かに震えているように見える。苦笑いもしているし、何かあったのだろうか。


何も起きていないと良いのだけれど、様子から見てそれはないだろう。

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