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小説で約10ページです。
わたしも暗いところは苦手です。
僕は壁に手を付き、先程と同じように氷を崩しながら奥へ進んだ。
微弱ながら、外の光が見える。改めて、僕はここの暗さを知ったような気がした。
「相変わらず、暗いなぁ……」
何か明かりがあれば良いのだけれど、ここはそのような物は一切無い。
故に、年中ここは真っ暗なのだ。
あまりの暗さに、中二になったにも関わらず、入るのを躊躇してしまう時もある。
そして今でも、少しだけ、恐怖心を抱いている。
……じゃりっ。
ふと、後ろから氷を踏んだような音が聞こえた。