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攻略4

「殿下達と関わらない為にはとにかく目立たない事だと思うけど、殿下相手に物怖じせず華麗に挨拶した事とか、オリエンテーションで先生の話ぶった斬った事とかかなり話題になってるしもう手遅れだよ」


放課後、今日から入寮となった学生寮のあたしの部屋でカンナと作戦会議する運びとなった。

この学園、そもそも貴族というだけでは入れない程に入学の難易度が高い事も相まって全体の生徒数もかなり少ない。その為個室を各人にあてがわれてるんだけど、マジで贅沢だわねそこらへん。


さて、カンナと話し合った結果あたしの殿下と関わらない作戦は既に破壌してるらしい。つら。

呆れ顔のカンナは更に言葉を続ける。


「第一エリスは確か特別奨学生だよね。学園での授業料や寄付、生活費の一切が免除される代わりに抜群の成績を収めなきゃならないとなると、授業でも否が応でも目立つから、何か別の作戦を練らなきゃ。どうせ目立つならいっその事玉の輿でも狙ってみたら?」


「玉の輿って、だいたいこの学園に入学するレベルの殿方なんてみんな婚約者がいると思うの。庶民の私が略奪しようものなら家族含め殺されかねないわ」


ちなみに学業不振等による退学なんてしようものならそれこそ命に関わりかねない。あたしが学園に推薦された理由は、何故か庶民なのに魔法の才能が高いからな訳で……なんでそれが知られたんだよイミフ。

つまり私の魔法の才能を見込んだどこかのお貴族様がいて、その人が推薦して特別奨学生の資格に通ったとかいうミラクル。つまりつまり、退学にでもなろうものならそのお貴族様の面子を潰す事になるのだ。

貴族の面子とは、それだけを理由に戦争すら起こりかねない程厄介なものだ。前の三年間でも貴族同士の面子絡みのプライドを度々見かけた。何よりあたしの成績の良さを僻んだ人からも何度か嫌がらせを受けたもんだ。


そんなこんなでカンナとの作戦会議は晩ご飯の時間まで続いた。今更だけど知り合った初日によくまあこんな事付き合ってくれるもんだ。

おかげで一つの作戦を練ることができた。さあ、明日から実践といこうじゃないか。







翌日から本格的に授業開始。最初は座学の基本魔法理論学。エリート揃いのためみんな真面目にノートを取りながら授業を受ける中、一人あたしだけノートも取らず教科書をパラパラと捲る程度。一年の教科書懐かしー。

教師もあたしの態度にムッとしてるのが伺える。


「ミス・スターライト。随分と余裕そうだが魔法理論学において私が最初に説明した「魔法理論学は独学取得による魔力暴走事故防止及び魔法そのものの理解を深める事による技量向上を目的としております。しかしながら近年は実践編長の気があり理論を疎かにする弊害があります。だからこそ基礎である……」ああもう良い。理解しているなら結構」


バツの悪そうな教師は授業を再開する。


ふふん、これぞあたし達の作戦。授業態度悪いのに何故か成績は良い、取っ付きにくいやつ作戦。これは相手からしても関わり合いたくないだろう。完璧。あまりにも完全無欠な作戦。

この調子で他の授業もこなしてやるぜ。問題は一年の授業内容を思い出す必要があるのと、微妙なところは必死こいて予習(復習)する必要があること。

ただあたしはともかく私の体はとにかく優秀だからそう苦戦しないはず。しないよね?

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