第九話
朝日が会議をした時間から数時間後。
カラーイッシュが生活するシェアハウスでは、メールの確認をしている状況だった。
なぜこのような事をしているのかいうと言ってしまえばスカウト関連のメールがたくさん来ているからである。
彼らはここ一か月で多くの登録者数を伸ばした今注目の人物と言える存在である。また、バンドという事もありスカウトすることが出来れば多くの仕事をすることが出来るので事務所にいい影響もあるといういいことづくめと言えるのである。
そのためか、カラーイッシュの公式SNSには多くのメールが来ているため、全員で一度会議をしようという事になり、スカウトの条件などをまとめたものを一度印刷している状態である。
「これで、今来た奴は全部印刷できたかな」
「そうみたいだね。でもこんなに来るなんて想像もしてなかったよ。」
「確かに。これ見てよ。某大手のタレント事務所。来てるよ。」
「わあー、こっちはー、某タレントー、事務所―、から来てるー。」
「こっちもすっごいよ。某大手のVtuber事務所からだよ。僕たちこんなに有名になったんだね」
今来ているだけでも10以上のスカウトのメールが来ている状態である。ここから、条件などから吟味していかなければいけないと思うと少し億劫になってしまう。どうするか考えていると、新しいメールが来ていることに気づいた。あて先はG・L・Vエンターテイメントと書かれていた。同じようにスカウトのメールかなと思い開いてみると、そうではなく仕事の依頼であった。
「みんなー、一回こっちの話を聞いて。」
「なになに、どうかしたの詩?」
「簡単に言えば仕事の依頼のメールだよ。G・L・Vから。内容は・・・」
件名:カラーイッシュ皆様への仕事の依頼のお願い
カラーイッシュの皆様。
本日は急なメールをさせてもらい申し訳ありません。
株式会社G・L・Vエンターテイメント、Vtuberの本部長○○です。
今回はみなさまにお仕事の依頼をお願いしたくメールをさせていただきました。
仕事内容の方ですが、弊社に所属している唐暮茜というVtuberがいるのですが、
彼女のオリジナル楽曲の制作依頼をお願いしたく今回メールをさせていただきました。
他にもお願いしたいことがありますがここから先は、
社外秘の話があるので、仕事を受けてくださってからという事になります。
もしこちらの仕事を受けてくださるようでしたら
本日から1週間以内のご連絡をお願いします。
何卒よろしくお願い申し上げます。
「・・・って感じみたい。どうする、受けてみる?」
私は作詞と作曲を担当しいている二人に問いかけた
「そうだねー、今はー、スカウトのー、事でー、疲れてたからー、気分転換―、みたいなー、ものでー、受けるのはー、いいよー。」
「そうだね、僕も息抜きしたいと思っていたから受けることはいいよ。」
「分かった。じゃあ、OKですって返信しとくね。」
そうして、担当が受けてもいいという事なので、OKの返信をすぐに送ったのでした。
「よし、返信できたみたいだから、これはもう大丈夫だね。じゃあ、スカウトをどうするか話していこうか。」
そうして、彼らはどうするのかを話し合うのでした。
スカウトに対して話合いがあった翌日、本日は土曜日という事もあり学校はお休み、よって休日を各々が過ごすという所である。
昨日は最終的に決まることなく時間が来てしまい話が持ち越しになった。本当にどうしようかと考えながら、今日の作業をしようとパソコンを開くとどうやらメールが来ているようだった。確認するとそれはスカウトに対して話し合っていた時に来たG・L・Vからのメールに対しての返事だった。
「うわ~、すごいなーもう返信が来てるよ。えっと内容は~・・・」
Re件名カラーイッシュ皆様への仕事の依頼のお願い
本文:
カラーイッシュの皆様。
早い返信ありがとうございます。また、この度は仕事を受けていただき
誠にありがとうございます。
曲の方ですが、弊社の担当者にご連絡の方をお願いします。
連絡先の方ですがこちらの方になります。
080―○○―××
また、社外秘として前回のメールに乗せることが出来なかった事なのですが
弊社所属の唐暮茜とのコラボをお願いしたいと考えているのですが、こちらの方は
また後日連絡をさえていただきますので、その際にコラボの返事をお願いします。
長くなりましたが、今回一緒に仕事ができることになりうれしく思います。
誠によろしくお願いします。
メールにはそのように書かれていた。いったん頭の中に整理するためにまずは、担当者の連絡先を早苗と要に教えないと。そう思い次に、コラボについて考える。
唐暮茜とコラボが出来る。それは何と凄い事か。推しと話すことが出来るそれだけでもとんでもなくうれしいと思ってしまうのです。この1か月で、彼黒江詩は唐暮茜に対してはまりにはまったのである。まず声がいい、次にリアクションがいいと言った色々なことが出てくるがそれは一旦置いといてコラボすることに夢をはせるのだった。
「まあ、今は二人に連絡先を渡さないとな。」
そうして、私はすぐに終わる仕事をして、もともと午前中の内にやろうとした作業を終わらせるのでした。