第六話
「ん・・・ふぁぁぁ・・・」
朝になり私、黒江朝日は自然に目を覚ました。目覚ましがかかるよりも前に起きることが出来たのは久々かもしれない。
「思ったよりも寝てたかもなぁ・・・」
昨日は配信が終わってから寝たのでかなりの時間寝てしまったようだ。
目も覚めたので簡単に大学に行く準備をして朝ごはんを作った。
今日は食パンにモーニングステーキと牛乳。
食パンはカリッとした食感が好きなので表面はこんがりと色がつくまでトースターで温める。そのトーストの上に焼いていたモーニングステーキを乗せ、マヨネーズをかけてサンドイッチのようにすれば完成。
簡単にできておいしく、作る時間も短時間でできて満足感も得られるため、私はよくこれを食べる。
手づかみで食べると洗う食器を減らすことが出来る。
サックと朝ご飯を食べ終わったらバスの時間が来るまでスマホを見ながら昨日の配信のエゴサをしながらすごした。
そうして、十数分過ごしてバスの時間が近づいてきた。バス停まで向かい学校のある方面に行くバスに乗り今日も向かうのだ。
ただ、バスに乗ってからは10分程度でつくから場所に大学はあるから時間はそこまでかからないけどね。
学校へ着き今日の講義を受ける教室へと入り、私よりも早く来ている友人にと挨拶を交わす。
友人の名前は、宮崎澪。私がVtuberをやっていることを知っている数少ない友人である。
講義を受け大事なポイントをしっかりとメモを取る。復習に時間を使わないように授業はちゃんと受けて覚えておくようにするためだ。
そうしてお昼休みになり、お昼を澪と一緒に学食で食べることになったので学食へ向かった。
「そういえば朝日、昨日の配信見たんだけど、あんなこと言っても大丈夫だったの?」
「あんなこと?もしかしてコラボの事?」
「そうそれ、一応あんたは企業勢ということじゃん。そんなあんたが、箱外であるカラーイッシュとコラボを目指すなんて言っても大丈夫なの?」
「そのことなら大丈夫だよ。もともと箱外コラボを考えてたみたいで、今日とか会議でどうなるか話しているみたいだから、心配しなくていいよ。」
「そうなんだそれなら問題ないね。じゃあ、心配させて責任で今日の料理代おごってくれない?」
「あんた、それが目的だったんでしょう。まあ、いいけどね。」
そうして話ながら学食に向かい、学食のおばちゃんの食べたいものを注文する。
「餡掛けラーメンと、牛丼をお願いしまーす。」
「はーい、餡掛けラーメンと牛丼ねーお盆は別々出した方がいいかな?」
「はい、それで大丈夫です。」
そうして、3分程度で両方とも出てくる。学食ということもあり、なかなかの速度で出てきた。その料理を受け取り、席を探し、空いているところがあったのでそこに座った。
そうして、10分ほど黙々と食事して料理が入った食器は空っぽになった。
「「ご馳走様でした・」」
「それでさ、カラーイッシュとコラボしたいみたいだけどどうやって行こうか考えているの?」
「そのことなんだけど、カラーイッシュはまだ配信者としては初心者だから、コラボはまだ少し先かなと思っているんだよね。」
「どれくらい先とかは考えてるの?」
「今のところ、1ヶ月は様子見になるかな。」
そんなことを話していると、朝日の携帯に連絡が来た。画面にはマネージャーと出ており、おそらく昨日話していた会議の結果でも話してくれるのだろう。
「ちょっと電話が来たから、端っこの方に行かせてもらうね。」
「分かったよ。」
そういって、澪から離れてから電話に出る。
「もしもし、こちら朝日です。」
「もしもし、こちらマネージャーです。いきなりですが昨日話した会議について決まったことを話しますね。」
そうして、会議で決まったことを私に教えてくれた。
色々とあったが、大きなことを簡単にまとめるとこうである。
1.箱外コラボお解禁
2.私がしたいと言っていたカラーイッシュとのコラボの仮許可
3.私のオリジナルソングが決定した。
そのようなことが会議で決まったようだ。
「これらの事が一応決まりました。さらに細かいことなどは後日資料などを送りますのでそちらの確認をお願いします。」
「わかりました。でも、カラーイッシュとのコラボよくOKが出ましたね。」
「そのことなんですが、さすがに配信者としてデビューしたという事もあるので1か月ほど様子を見ることになりました。どのくらいの頻度で動画や配信するかなどを見るみたいです。」
「分かりました。私もそれくらいは空くと思っていたので、大丈夫です。」
「では、今日伝えたいことはそれだけですので失礼します。」
そうして、携帯が切れる。私は食事していた場所まで戻った。戻ると澪から話しかけてきた。
「おかえり、さっきの電話はマネージャーさんから?」
「そうだよ、一応コラボの方が仮決めみたいな状態になったよ。」
「それは良かったじゃん。じゃあこれからも色々と頑張っていかないとね。」
「そうだね。まあ、頑張るのはいつもの事なんだけどね。」
そんなことを話していると次の講義の時間が迫っていた。
「あっ、私次の時間講義あるんだった。朝日は次の時間なにか講義は入っているの?」
「私は何にもないよ、今週の配信の事もあるから家に帰ろうとは思っているけど。」
「それなら、今日はこれでお別れということでいっか。じゃあまたね。」
そう言って、澪は次の講義へと向かっていった。私も今日の講義はもうないため、家へと帰るのだった。