第五話
唐暮茜の配信を黒江詩が見た翌日。彼は朝食を作るために早起きをしていた。
ただ作っている量は一人分ではない、約五人分くらいだ。なぜ、五人分もの量を作っているかと言えばシェアハウスをしているからである。
バンドメンバーでシェアハウスをしているのだ。そのため、料理を作る際は基本的に五人分を作る形になるのだ。そのため、当番制で家事を交代しながら作っているのだが今日は詩の番だという事だ。
そうして、詩が料理を作っていると、階段から誰かが下りてくることに気づいた。下りてきたのは要だった。まあ、彼は僕たちの中でも朝起きるのは早い方のため下りてきたのが誰かと考えればおのずと分かることである。そうして下りてきた彼が、キッチンで料理をしている詩に気づき挨拶をした。
「おはよう詩。今日は、ご飯に味噌汁後、焼き鮭みたいだね。いつもありがとうね。」
「おはよう要。お礼なんかいいよ。家事はみんなで交代でしているんだから。」
「いや、こういうことは言いたいと思った時に言わないと伝えることが出来ないからね。」
「まあ、それは分かるけど。それよりも、準備手伝ってくれない?」
「分かったよ。僕に任せてよ。」
そんな感じで話していると、他のみんなも起きてきた。お互いに挨拶をして机に備え付けられた椅子に座り、朝ごはんを食べ始めたのだ。
朝ごはんを食べ終わった後、食器を片付け、各々部屋に戻り学校へ行く準備を完了させ。学校へと向かう。
彼らが通う学校は、ファッションや3Dなどサブカルチャーに分類されるものついて学ぶことが出来る学校である。そんな学校の動画についての学科に通うっている詩であるが、本日の授業を受ける講義室に授業が始まる10分前につき準備をして待っていた。
席につき準備が終わり、イヤホンを挿してアーカイブか誰かが配信していないかをチェックしようとしたら、隣からまさかの話題が聞こえてきた。その話題が自分に関わることのため、スマホを弄っているフリをしながら聞き耳を立てる。
「なあ、昨日の茜の配信見たか?」
「ああ、観てるよ。昨日の配信ならカラーイッシュについて話していた配信の事だよな?」
「ああ、それであってるよ。」
「その配信を見てからカラーイッシュについて調べてみたんだけど、これが結構すごいんだよ。」
「そうなのか?どんな感じか教えてくれるか。」
「OK、いいだろう。でも、もう少しで授業が始まるから、その後でだな。」
そんな話題に集中しすぎたせいか、いつの間にか先生も来ており授業が始まる瞬間であった。
自分は授業に集中しつつも先ほどの学生が話していたことを考えていた。Vtuberが比較的にメジャーな存在になったおかげでメディア進出も多くなっていた。先ほどのように日常会話でもVtuberに関した話題が出てくるほどである。そんな話題から話が飛んで自分たちのバンド名が聞こえるようになるとは思いもしなかった。そんなことを考えながら、授業を受け終わった。
家に帰るまでの途中、これから先自分たちがもっと有名になるにはどうすればいいのかを考えていた。手っ取り早いのはやはり「コラボ」であると自分は思った。誰かとコラボすれば、そのライバーのファンが自分たちの事を見る。そうして、自分たちの動画を見てもらいファンになってもらう。そうすることによって、自分たちの知名度を上げていく。
「コラボかぁ・・・」
そのため、積極的に自分たち以外の配信者などとコラボすることが必要という事は分かっていた。しかし、自分たちは配信者として活動を始めたのは昨日からでそのような伝手はまだ持っていないという感じである。その伝手をどのようにして手に入れるかを家につくまで考えていた。
家に着き、先ほどまで考えていたことを解決するには、さらに動画を出して、人気を出すという事をする必要があると考えた。そのために、動画を出す必要があると思いどのような動画を出すかをリビングで考えていた。
「う~~ん。どうしよっか。」
「どうかした。詩。」
考えていたせいか、理央が帰ってきたことに気づかず自分の後ろに来たところを声をかけられた。
「お帰りなさい理央。今度どんな動画を出すか考えていたんだ。」
「ただいま。詩。そうなんだ。じゃあ、今他の人が、していること。参考にしたら。」
「ほかの人がしている事?」
「そう。僕も色々な動画を見てみたけど。踊ってみた。歌ってみた。ゲーム配信とか。いろいろあった。これらを参考にしたらいい気がする。」
理央から、このような事を言われて自分は頭が晴れたように感じた。
「そうだ、そうだよね。最初はそんな感じでもいいかもしれないね。ありがとう理央。色々なことが思いついてきたよ。」
「うん。役に立った。ならいいよ。じゃあ、僕。イラスト書いてるから。なにか、あったら部屋にいるね。」
そういうと、理央は自分の部屋へと進んでいきました。理央からのアドバイスを受け考えてみると色々な案が出てきた。それをどうやって形にしていくかはまた後でみんなで考えるとして。今日の晩御飯を作らなければいけない事を思い出し、急いで準備をしたのである。
そうして、ご飯を食べ終わり食器の片付けも終わり、バンドメンバーとの会議の時間である。
「それでは、カラーイッシュのチャンネルでどのような動画を出していくのかという事を会議していこうと思います。」
進行役をするのは、このバンドのボーカルでありリーダーでもある黒江詩ことUTA。
「じゃあー、まずー、私からー、案をー、出させてー、もらうね。」
そんな詩の問いかけに対して最初に反応したのは赤峰早苗ことSANAEである。
「私はー、みんでー、ゲームをー、やるのかー、いいんじゃー、ないかなー、と思いますー。」
「ゲーム配信ね、いいじゃないか。僕の華麗なテクニックを見せつけるのにあっているかもしれないね。」
早苗の提案に対して、反応したのは青空詩恩ことSHIONである。
「ほかの人の動画を見た限り、やっぱりゲームは大きなジャンルみたいだからね。それはいいかもしれないね。」
詩恩発言に対して反応したのは黄瀬要ことKANAMEである。
「僕も。それがいいと思う。」
「私もそれでいいと思う。みんないいみたいだから、次にどんなゲームにするかを考えていこうか。」
そうして、彼らの会議は夜遅くまで続いたのでした。
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