第十七話
そんなこんなでいくつかの試合が経過した。結果としては、茜はスタートダッシュに失敗して、一回罰ゲーム。瑠璃は、凡ミスすることなく進むことが出来ていたが、視聴者の放った青色甲羅によって最後の最後で抜かれてしまい三人の中で最下位になってしまうという事があり、1回罰ゲーム。菜種は、凡ミスが何回もあり、アイテム運も恵まれずに7回罰ゲーム。
「そろそろ、重大発表の時間もあるから次で最後にしよっか。」
「そうだね~。最後のコースでは絶対勝って茜に恥ずかしいセリフ絶対言わせるんだから~。」
「私も、前の試合みたいに抜かれることはもうないから、やらせてもらうよ。」
そんな感じで意気込みを言っていると、最後のコースが決まった。選ばれたのはコースからの落下率がどんなコースよりも高い、マリモカートでも屈指の難易度の虹の上を走るコース、レインボーブリッジであった。このコースが選ばれたことに視聴者は
『あー…、』
『これは…』
『落ちますね(確信』
『全員落ちていくんですね。』
こんな反応であった。
「ま、まあ最後のコースが屈指の難易度のコースが選ばれるのはおいしい事だよ!」
「そ、そうだよね。このコースも頑張ればいい結果を出せるかもしれないし!」
「そ、そうだよね~。ま、まあ、私はこのコース、と、得意だし~!」
全員飛んでもコースが選ばれたことに動揺が隠すことが出来ていないようであった。
そんなこんなで、最終戦がスタートした。
スタートダッシュは全員が成功した。しかし、そこからすぐ近くにある第一の関門壁のない急カーブに入った。外側や内側を走っていたカートがぶつかり合い何人も落下していった。
『うわ~、やっば~WWWW』
『ひっでぇWWWW』
『全員スタートダッシュ成功とかたけぇWWW』
『でも、最初の関門でほとんど落ちてるWWW』
「うわぁ!?落ちかけた!」
「何とか、落ちずに行けた」
「このまま・・このまま・・」
そのまま、最終周へと入り、後ろでついてきていた数人がジャンプ台を飛んだ瞬間待っていたと言わんばかりのタイミングに雷が落ちてきたのであった。
「あっ」
「うっわぁ」
「このタイミングで~」
三人は通り抜けた後だったので大丈夫ではあったが、その数人は全員仲良く奈落へと向かっていった。
『あっ、これは…』
『完全に三人だけになっちゃいましたね。』
『まさかのタイミングで来ちゃったな。』
『落ちていく…落ちていく…』
「まさか、私達三人で最後を決めることになるなんて思わなかったね。」
「そうだね~、まあ今回こそは勝たせてもらうんだけどね~。」
「そんなことない。私が勝つにきまってるんだから!」
そうして、最終周も半ば、三人は一気に勝負をつけるためにショートカットに挑戦するのだった。
「負けるかぁぁぁぁ!」
「今度こそ勝つんだぁぁぁぁ!」
「私が一番強いんだよぉぉぉぉ!」
成功確率はとんでもなく低い、高難易度ショートカット。
中々成功することがないショートカットに三人が同時に挑戦したのだった。
三人はゴールにめがけて一直線に飛んでいく。
しかし、まさかのここで後ろからの横やり。ショートカットに成功はしたが、着いた瞬間に雷が落ちてきた。
「うそでしょ!」
「ここで~!」
「なんてタイミングできたの!」
『すごいいタイミング雷来た!』
『うっわすごすぎ!』
『何でこんな配信でおきんのWWW』
『てか、三人ともショートカットと成功してるの凄すぎ!』
『は~あ、やっぱ持ってるんだな~』
いの一番に回復したのは三番手についていた瑠璃。すぐに、アクセルを再度踏みゴールへと向かっていった。
次に回復したのは二番手の菜種。とんでもないタイミングで雷が来たことに驚きはしたが、何回も負けていたため、これ以上負けたくないという思いがあったので復帰することが出来た。
最後に回復したのは一番手だった茜。このまま勝てると思っていたところにいきなりの雷が落ちてきたことに驚き、このタイミングで来ることに「まじで!」と驚き、驚きが重なったせいで三人の中で一番遅く回復した事になってしまったのである。
そのせいで、今回の順位が決まってしまったのである。
一着に瑠璃。二着に菜種。三着に茜。
この状態で最終的なリザルトとなったのである。
『最後の最後で大逆転!』
『あそこから、持っていくのは凄いはWWWW』
『やっぱ見ていて楽しめるはWWW』
『頭おかしいタイミングで雷来て笑えるWWW』
「よっしゃー!一位取った!」
「最後の最後で勝てた~!」
「うそでしょ…あの瞬間まで…勝てたのに。」
「じゃあ、茜。最後のセリフを選びますよ!。」
「どんなのが出るかな~!恥ずかしいのがいいな~。」
「それじゃあー、引きまーす。どん!」
今一番欲しいもの分かる?本が欲しい?それじゃないよ。いま一番欲しいのは、あなたの苗字だよ。
「うっわ、完全にプロポーズじゃん。」
「うわ~、ここまで恥ずかしいセリフが来るなんて~、やばすぎなんですけど~WWW」
「まあ、言わないといけないから、掛け声を瑠璃にお願いするよ。あとちょっと待ってもらってもいいかな、新しいマイクかったからそれで言おうと思うから。」
「分かったよ。じゃあ、準備が出来たらチャットの方に連絡をお願いね。」
「分かったよ。」
『ん?』
『なにが起こった?』
『マイクが切れたな』
『そうっぽいね』
『何が起きたんだ?』
「何してるんだろうね~。」
「新しいマイクって、もしかして事務所越しに頼んでいたあのマイク?」
『瑠璃何か知っているみたいだね。』
『何なのか教えて』
『何かとんでもマイクでも買ったのかな』
しばらくするとガサゴソとマイクの音が復活した。しかし、それは視聴者たちのイヤホンの右耳から音が聞こえてきたのである。
「今一番欲しいもの分かる~?」
『まさかこれは!』
『噓でしょ』
『このセリフでそのマイクはやばいです。』
「あわあわ、耳ぞわぞわする。」
「あああああ、やっばい、何で持ってんの。」
「本が欲しい~? それじゃないよ~ いま一番欲しいのは~♪、あなたの苗字だよ~♪。」
『破壊力高すぎ』
『バイノーラルマイクはまずいです。』
『耳がぞわぞわしすぎる』
『はああ…こんなセリフ聞けるなんて。夢みたい。』
「今度ASMRの配信をしようと思っていたから、家に偶然合ったんだよね。」
「セリフの破壊力もあって、マイクによってさらに破壊力が倍増してるからやばかった。」
「そうだね~。今も心臓がドキドキしてるのを感じるよ~。」
「それじゃあ、これで罰ゲームも終わりにして重大発表の方に行こうか。」
『えー、もう終わりなのー』
『まだ、罰ゲームのセリフ聞きたいよー。』
『重大発表はまだ後でいいからもっとやって。』
『俺は重大発表が気になるから早く教えてくれ』
『教えてくれたらスパチャする。』
『教えてくれー』
「そうだね、惜しいようだけどこの情報を待っている人もいるだろうからね。」
「私はもうどんな情報か知っているけど~、みんなが驚く情報だってことは確かな事だよ~。」
「では、今回の重大発表ですが、なんと私たち五期生のオリジナル楽曲が発表されることが決定いたしました!」
『おおおお、マジか!』
『オリジナル楽曲だって!』
『どんな曲かマジで気になる!』
「しかも~、公開日は今日から1週間後を予定しています~。」
「時間は三人が一日づつ、ずらしての発表をするから安心して見てね。」
「では今回の発表もここまで。さらに詳しい情報はTwitterの方で流すのでそちらを確認してください。では、最後に挨拶をして終わりましょう。せーの。」
「「「おつかね~/おつるり~/おつのめ~」」」
『おつかね~』
『おつかね~』
『おつるり~』
『おつるり~』
『おつのめ~』
『おつのめ~』
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