第十二話
詩が茜との買い物をしてから数日後。カラーイッシュがシェアハウスをしている家のリビングでは現在作詞作曲を担当している要と早苗が曲の制作をしていた。
数日前に詩から相手先の連絡が載っているメールが転送されてきており、それに対して担当者に返信をして、話を詰めたのが前日である。そこで、唐暮茜のキャラクターソングの制作をお願いされたという形である。
これまで自分たちのために作っていた曲だが、今回は楽曲提供という事もありいつも自分たちが作っている感じとは違う、また、提供先の要望としてキャラクターソングという位置づけのため唐暮茜の事について知らなければいけないという問題が発生しているのだ。
そのため、この二人は唐暮茜の事を知るために彼女の動画を視聴していた所である。
「これまでー、見た感じー、どうー思ったー。」
「そうだね、まず声がいいねと、結構高音が出ているという事かな。」
「そうだねー、これだけー、高音を―、出せるならー、色々―、考え―、られるねー。」
「確かに、後はうちのボーカルと結構声が似ているなと思ったから、案外いつもどうりでいいかもしれないと思ったよ。」
「確かにー。詩とー、同じー、感じがー、してるねー。」
二人は気づいてはいないが唐暮茜と彼らのバンドのボーカルである詩は双子なので声が似ているのはおかしくないのだ。
「じゃあ、ここからは部屋に戻って作業という事でいいかな。」
「OK―、できたらー、いつものー、様にー、送れば―、大丈夫―?」
「それで大丈夫だよ。まあ、今は1週間以内に作ってみる感じで行こうか。」
「おー!」
そうして、二人は曲の制作を開始するのであった。
それから一週間後。カラーイッシュの会議の時。
「それじゃあ、今日最後の議題だね。」
今回、司会をしているのは詩である。
「出されているのは、G・L・Vからの楽曲提供とコラボの内容についてだね。じゃあ、要と早苗進捗の方を教えてもらってもいいかな。」
「分かったよ。まず、作詞作曲の方は一応完成はしたよ。後、は先方に送ってみて反応を見てみると言ったところかな。その前に一度みんなに聞いてもらおうと思っているから、少し流すね。」
そうして、準備していたのかパソコンから曲が流れてきた。
「へー今回はこんな感じなんだ。まあ、いい感じじゃん。」
「そうだね詩恩、今の状態でもイメージと合っているように感じるから、このままでもいいとは思っているんだよね。」
「確かに良い。」
「そうでしょー、このイメージをー、出すためにー、動画をー、何度も―、見返したからねー。」
聞いてみた感じ唐暮茜をイメージしたような曲としてできており完成度もいいと言えるだろう。
「そうだね、曲はこれでいいと思うから先方にはこの曲を送ろ。」
そうして、楽曲が完成したという事で次の議題に移る。
「じゃあ、あと一つコラボで何するかについてだけど何か意見はあるかな?」
ここで、詩恩が手を上げた。
「じゃあ、私から一ついいかしら。」
そこで出された意見は、僕たちがバンドという事を押したいい案だった。
「こんな事を考えただけどう思うかしら?」
「先方と話すことにはなるだろうけど、たぶん通るかもしれないね。」
「そうだねー、面白いし―、いいかもしれないねー。」
「いいと思う。面白いと思った。」
「時間はかかるかもしれないけど、やってはみたいね」
全員からいい返事を出すことが出来ているようだ。このこともメールで先方に聞いてみよう。
「じゃあ、今回の議題はこれで終わりだね。それじゃ、解散」
そうして今回の会議も終了して。各々の活動へと戻るのだった。
そうして、僕は曲とコラボについて先方にメールを送りベットへと向かうのであった。