第一話
何でこんなことになったんだろう。
僕はそんなことを考えていた。
こんなことにきっかけ自体は些細な事である。
高校二年生の時に自分と同じような女性的な容姿、俗にいう男の娘と言われる容姿をしている友人たちとバンドを組みそれが3年経つ。ライブハウスでライブをすればチケットは完売。結成1年後配信サイトでチャンネルを制作。チャンネル登録者数も1年で50万人を突破。などなど、人気はうなぎ上り状態である。
しかし、さらに認知を増やすならどうすればいいのかバンド内で会議をして、もともと曲だけを出していた配信サイトでいろいろな動画を出していこうとなったがもともと顔出しをしないとしてバンドを組んだため顔を出さないでどうやるかと話になり、昨今はやっているVtuberでやろうとなり、自分たちがカルチャー系の専門学校に通っているという事もあり、準備も自分たちだけでできた。
配信日の前日には自分たちの公式SNSで配信で重大発表をすると載せたので今現在の待機人数も2万に越えをしている状態である。
そんなこんなで、Vtuberデビュー当日になりいきなり冷静になり。どうしてこんなことになったのだろうという心境である。
そんなこんなと考えているが、配信開始の時間が迫って来た。そろそろ始めないと考え。PCに映る配信開始という所をマウスでクリックをして配信を始める。
「こんにちはー!カラーイッシュのボーカルUTAだよー!みんなー元気にしてるかなー?」
画面には、マイクが映っている状態である。今現在の自分の配信の際のアバターである。
『元気にしてるよー!』
『待っていましたー!』
『こんにちはー』
『昨日からずっと待ってた』
『この声がないと生きていけない体になったので責任取ってください♡』
今自分の前にある2枚のモニターの片方の方にコメントが表示されるようにしているがみんなが思い思いにコメントを出していく。
「今日は、私たちの活動に関しての重大な発表があるから最後まで見ていってね。じゃあ、配信の時にやっているいつもの演奏やっていくよ。」
『重大発表は何やるの?』
『それは気になる。』
『うれしい発表だといいな。』
「演奏スタートまで3・・・2・・・1・・・GO!」
『始まる始まる』
『ワクワクわくわく』
『キターーーーーー』
いまさらながら、僕の自己紹介をさしてもらいます。バンドカラーイッシュのボーカルUTA、その中の人である黒江詩と言います。よろしくお願いします。
配信が始まりしばらくの間はライブ状態であった。カラーイッシュというバンドがどれほどうまいかというのが分かる時間でもあった。そんなこんなで、ライブが終わってからである。
「みんなー、ここまで聞いてくれてありがとうー。ここから、私たちの重大発表をしていきたいと思いますー!」
『ライブ良かった。』
『ほんとそれな。』
『ついに、一番気になる発表だ。』
『新作の発表だといいな』
『もしかしたらついにメジャーデビューかもしれないよ』
『なんでもいいから、うれしい事だといいな』
「ここで発表するのは、ここからの配信活動についての発表です。」
『配信活動について?』
『もしかしてライブはこれで終わり。』
『いやだいやだ』
『もっとやって』
コメント欄には配信活動をやめるかもしれない、という事で一色になっておりコメントが止まらない状態になっていた。
「コメント欄では、配信活動をやめるかもしれない一色になっているけど、それはないから心配しないでね。」
『よかった』
『よかったよー!』
『じゃあどんなことを発表するんだ。』
『気になる、気になる。』
「ここまでの数の人が私たちのチャンネルを登録してくれたおかげで私たちは、人気になることができました。しかし、ここからさらに認知されていくにはどうすればいいのかとバンドで私たちは話し合いをしました。そこで、提案として挙がってきたことが、これまで歌やライブ、ボーカロイドでの歌を上げることしかしなかったこのチャンネルで、一般的に配信者がやるようなことをやろうとなりました。」
『どういうことなの?』
『カラーイッシュがゲーム配信とかするという事?』
『多分そういう事じゃないかな』
『それなら、いいかもしれないね』
『この声が、もっと聴けるという事だよね』
『そうだと思うよ。』
コメント欄を見る限りでは反応はいい状態であった。では、一番の発表をしようじゃないか。
「でも、私たちは顔出しをしないバンドであります。そのため、そのままでは動画に出ることは出来ません。いま、私がマイクのアイコンを使ってしゃべっているのもそれが理由です。ではどうやって活動をしていくかというと」
『わくわくわくわく』
『ボイスロイドでやるのか』
『それじゃあ、声が聞こえないよ』
『意味がない。』
『もしかしてついに顔出しをする。』
『いや、話の感じからしてそれはないよ』
コメント欄ではボイスロイドを使ったものが主流とされているが私たちがやるのはそうじゃない
「私たちは今の流行であるVtuberとしてデビューすることを決定ました!」
『おおおおおおおおお!』
『Vtuberとしていろんなことをしてくれるのか?』
『どんな動画出してくれる』
『歌の方とかももっと出してくれるの』
「さらに、こういう時はボーカルであるUTAのみが声を出していましたが、これからはカラーイッシュは全員でやっていくことになりました。ですので、全員でVtuberとしてデビューします。そうしてここで、全員の声とビジュアルを公開していこうと思います。」
そうして自分のPCを操作して、映っていたマイクのアイコンから自分の分身であるVtuberに変更させるのである。その際に、メンバーが作った変化シーンを入れて変化していく。その際、コメント欄が大きく盛り上がいた。
『何これ何これ!』
『マイクから人の形に変化していくのがすごいよ!』
『だんだんと容姿が見えてきた。』
画面に映る姿は、黒い髪でショートカット目の色も黒でたれ目のかわいらしい顔立ちである。見た目だけでは美少女といった感じではあるが、性別の方は男か女か分からない状態である。
「では、改めまして、ボーカルのUTAでーす。今度からこの体でいろんなことをしていくからよろしくねー。」
『おおおおおおお』
『なにこれ超かわいいんだけど。』
『こんなのが後メンバー全員分あるのか?』
『そうなら最高!』
自分の発表もいい感じにできた。次からのメンバーも成功するだろう。そう考えて次のメンバーを紹介するのである。
「二人目の紹介だよ!このバンドのギターを担当していて、さらにオリジナルソングの作詞も担当しているKANAME!」
映し出されるのは、黄色い髪にショートカット。目の色が黄色、釣り目で勝気な印象を受ける顔立ちである。
「みんなこんにちはー。ギター担当のKANAMEです。いつも君たちが聞いている曲の歌詞を考えています。これからは、UTAだけじゃなくて僕も前に出てくのよろしくねー。」
『おおおおおおお!』
『かわいいかわいい!!』
『いつもギター聞いています。』
『顔がいい。』
『かっこいい感じがしていい。』
コメントもいい反応をしている。
「ありがとう、KANAME。じゃあ次のメンバーの紹介もお願いしてもいいかな?」
「OK、UTA請け負ったよ。じゃあ三人目の紹介だね。いつも僕たちが演奏する音を作り出している、僕たちの頭の上がらない存在であるSANAE!」
「みんなーこんにちはー。元気かなー。いつもー君たちがー聞いているー音を作っているーSANNAEでーす。よろしくーお願いしまーす。」
映し出された姿は、赤色の髪で背中の真ん中まで届くロング。目の色が赤色で、たれ目でかわいらしい印象を受ける顔立ちである。
『こっちもかわいい。』
『猫耳とか付けたらさらにかわいくなりそう』
『はあ……はあ……、うちの家に来ない?』
『変態が涌いている。』
『小さい感じがいいね。』
『ほんと、まじで』
ちょっと変態が出てきたけど、一旦置いといて次にいってもらいましょう。
「よろしくね、SANAE。次のメンバーの紹介をお願いしてもいいかな?」
「紹介だねー、いいよー、四人目のー、紹介だよー。僕たちの―この体を―作った3D モデラ―であるーSHION―だよー」
映し出された姿は、青色の髪で肩近くまでのショットカット。目の色も青く、たれ目でいつも微笑んでいるような印象がある顔立ちである。
「ご紹介に預かった、SHIONでーす。みんなよろしくねー。今僕たちがこんなに動けるのは僕が、頑張ったからなんだよ。みんな―僕の事ほめてくれるかかなー?まあ、そんなこと聞かれなくてもほめてくれるでしょう。」
『この子もかわいい。』
『もう全員推すしかない。』
『こんなにぬるぬる3Dを動かせるように作るなんてすごい。』
『才能ある、声もいい。』
『ほめるよ、ほめるよ』
『すごーーーーーい』
こちらも反応は上々、アバターの凄さも伝わっているようだし、SHIONの自信満々なところも伝わっているようだ。
「こんなー、自信いっぱいのー、この子がーSHIONだよー。じゃあー、SHION最後のー、メンバーのー、紹介をー、お願いねー。」
「分かった。この僕に最後のメンバーの紹介をさせるんだからみんな最後まで盛り上がれよー。最後に、僕たちのこの体の元を作ったり、MVの絵をかいたりしてくれるRIO!」
映し出された姿は、白色の髪に腰まで伸びたロングの髪型。目の色は銀色。釣り目でクールな印象を与える顔立ちをしていた。
「どうも、こんにちは。いつもMVのイラストを描いているRIOだ。コメント欄でみるサムネがすごい、MVのイラストがかっこいい。とかは、見て励みにしてる。ありがと。まあ、これでメンバー全員が出た。また、UTAに司会を戻す。ここからは、UTAまたよろしく。」
『こっちの子は、かっこいい。』
『スーツとか来てるところ見てみたい。』
『てか、みんなの元を作ったんだ。』
『すごいな、こんなに別々の印象を与えるようにかき分けられるの。』
『ほかにどんなの書くのか気になる』
最後のRIOの紹介も大丈夫みたいだ。RIOを書いた絵も高評価みたいでいい感じだ。
「承りました。では、画面に全員を映してから今回の企画をしていこうかなと思います。」
画面の中に全員のアバターが映る状態にして、今回の企画を始めていく。
「じゃあ、今回やる企画ですが、無難に質問に答えていくというのをやっていこうと思います。」
「まあ、それが一番最初にやることだよね。」
「みんなでこんなこともするのも初めてだから楽しめではあるかな。」
「確かに―。それはそうとー、どんなー、質問がー、来てるかなー、UTA。」
「OK、SANAEじゃあまずはこの質問。」
[カラーイッシュの、皆さんこんにちは。いつも音楽を聞かせてもらっています。質問なのですが、今回Vtuberとしてデビューすることになった理由などを教えてくれませんか。また、ここから先にやっていこうと思っている事を教えてもらってもいいですか。]
『これはいい質問。』
『ここから先何やるのか教えてくれるかな?かな。』
『お絵描きとかしてくれるかな。』
『実写とかやってほしいな。』
「そうだね、今考えてるのは今回みたいに質問に答えてみたりゲームの配信をしたりするのは確定してるね。」
「ほかにはー、白神のー、お絵描き配信―、とかー、みんなでー、料理もー、やっていくよー。」
「SANAEが言った。いろんなことを僕たちはやっていく。」
「RIOもありがとう。じゃあ他の質問に答えていこうかな。」
[次のコミケにはサークル参加を考えていますか。考えているなら何を出すのかを教えてもらってもいいですか]
「これ関係の質問は結構来てるみたいだね。答えるとしたら今は考えていないかな。」
『えーー』
『なんでですか』
『参加するなら買いに行くのに』
「僕たちがこのデビューすることを考えてから今日まで二か月くらいだから、そこまで考える暇はなかったんだよね。まあ、僕は一人で出ても行列ができると思うけどね。」
『それはしょうがないか。』
『仕方ない事があるよ』
『コミケのサークル募集期限早いもんね』
『ボイスとか販売してほしかったな・・・』
『ほんまそれ』
『全員声がいいから、全部買ったのに』
『いくらでも払うから、今からボイスを取ってくれることは出来ませんか?』
「SHION余計なことは言わないの。確かにそのことに関しては考えてはいなかったけど、そのことは今はいいの。今度出るとでもすればいいじゃない。」
「KANAMEいいねそれ、次のコミケに出れるように応募しておこう。」
『おおおおおおお』
『次回のコミケ参加かもしれない!』
『参加決まったら教えてください。』
『その日は絶対休みにしていく。』
『仕事は死んでも休む』
『俺もだめなら辞めてくる』
『なんだこいつら』
『やばいやつしかいない件についてw』
「じゃあ、次が最後の質問とさせともらいます。」
[皆さんがいま出せる一番いい声でこのセリフを各々自分流にアレンジしてから読んでください。
今日はこの配信に来てくれてありがとう。また見に来てね。おやすみなさい。]
『やったー!』
『これは大当たりだ。』
『声がいいの人がこんなの言うなんて、耳がタヒんじゃう』
「こんなのが当たっちゃった。どうする、やる?」
「やるにきまっいてるじゃない。こんな簡単な事僕に任せてよ。」
「面白そうだし、やることはいいんじゃないかな。僕は問題ないよ。」
「僕も―、問題―、ないよー。」
「僕も問題ない。いい声出す準備する。少し待って。」
そんなこんなでちょっとの時間がたち全員の準備が出来た。
「じゃあ、誰からやろうか?ここは、ランダムで決める?それとも、誰か立候補する?」
「じゃあ、僕からやる。いいかなUTA?」
「いいよ、RIO。君からやろうとするなんて初めてな気がするね。」
「こんなことを始めた。だから、少しは変わらないといけないと思った。」
「分かったよ。じゃあ、準備はいいみたいだし早速やっていこうか。」
「OK。分かった。行くよ。」
[今日の配信来てくれてありがとう。また、見に来て。僕はとっても嬉しかった。だから、今日はいい夢を見ることが出来ると思う。だから、おやすみなさい。]
『あああああ』
『なんていい声なんだ。』
『耳がはらむ』
「RIO、いい感じに言えたみたいだね。じゃあ、次はSHION行ってみようか。」
「僕にお願いするなんて、分かっているじゃないかUTA。いいよ、僕のこの声に酔いしれなよ。」
[今日の配信来てくれてありがとう。僕の配信とっても良かったでしょう。だから、僕を褒め称えなきゃいけないんだよ。じゃあ、おやすみなさいー。]
『ああああ、なんなんだあああああ』
『分からせたい、分からせたい』
『生意気な感じがなんとも』
『いいですね。』
「SHIONも自信満々の感じがいいね。次は、SANAEお願い。」
「OKだよー。僕のー、声がー、君たちの―、元気をー、だしてー、くれるのならー、言ってあげるよー。」
[今日のー、配信にー、来てくれてー、ありがとー。僕のー、しゃべり―、方には―、なれたかなー。慣れて―、くれると―、とってもー、嬉しいなー。またー、見に来てねー。おやすみなさいー。]
『癒し感MAX』
『いやされる~』
『ずっと聞いていたい~』
『は~あ、たまらん』
「やっぱり、SANAEのこのとぎれとぎれの感じは癒し効果あると思うんだよね、僕は。そんなことは一度置いといて、次はKANAMEお願いするね。」
「分かったよ。最後にUTAにUTAがやることになっちゃうけど、それは大丈夫と考えていいってことだね。じゃあ、結構本気でやっちゃうよ。」
[今日の配信来てくれてどうもありがとうございます。いつも君たちが見に来てくれることを感謝しいてるよ。でも、今日はここまで、もう寝る時間だ。じゃあ、おやすみなさい。]
『王子様がいる!』
『かっこいいに全振り』
『これはこれでいい』
『壁になって眺めていた。』
『わかる』
『百合が見たいです』
『すごく想像できる』
『創作がたぎる。』
「ありがとうKANAME。僕が最後だけど、本気の声でみんなを落としていくよ。じゃあ行くよ。」
[今日の配信見に来てくれてありがとう。僕も君たちが最後まで見てくれてとっても嬉しかったよ。だから、夜はぐっすり寝てまた見に来てね。おやすみなさい。]
『あああああ、やっぱりいいよ』
『UTAの声は、何なんだろうか』
『もういいとしか表現が出来ない』
『それしかない』
『あああ、何度も聞いちゃうよ』
『この部分だけの耐久切り抜きとかできるよ。』
『確かに絶対、聞き続けちゃう』
「コメント欄も、いい感じに落ちてきたみたいだし、最後はみんなで、リスナーに新しい挨拶を言って終わりにしようか。じゃあいくよ、せーの」
「「「「「リスナーのみんなおつカラー!」」」」」
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