表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
75/203

それはお揃い 4


「それにしても、早々にあれを開けるとは」

「アーサー様?」


 少しだけ眉の間にしわが寄っている騎士団長様。

 プレゼントを贈ってくれた時は、どこか嬉しそうだったのに、今はもの憂げだ。


「……あの宝石に何か」

「……そうだな」


 少しだけ微笑んだ騎士団長様。

 でも、やはりその瞳は不安げに揺れている気がする。

 いくら騎士団長様でも、確かにあの宝石は大きすぎたように思う。

 アクセサリーにも使えない宝石なんて……。


「あれは、部屋に置いておくように」

「……分かりました」


 やはり何かあるのだろう。

 無理に笑っているように見えるもの。


「さあ、お揃いについて教えてくれると言ったな?」

「えっ、は、はい……」

「楽しみにしている」

「えっ、あの……」


 お揃いについて分かってもらおうと意気込んだけれど、実際のところ誰かとお揃いでなにかを持ったことなんてない私。

 とても残念だけれど、店員さん任せになりそうではある。


 お揃いといえば、いつもオーナーは、カフェフローラの制服、それぞれのスタッフに合わせてデザインを変えていた。

 あんな感じをイメージすれば、いいのだろうか。


「……何を考えている?」

「えっ、あの……」

「二人きりの時に、他の人のことを考えるなんて」

「えっ、えっと」


 向かいの席で、頬に手を当てた騎士団長様の流し目に、私の心臓は止まりかける。

 結婚したなら、毎日このご尊顔を眺めることになるのだ。

 

 慣れなくては……。


 気合いを入れて見つめていたら、ふっと小さな吐息とともに、騎士団長様の顔が近づいてきて、頬に口づけされる。


「……いきなり」

「リティリアが可愛いのがいけない」

「えぇ」

「ところで、妖精がついてきてしまったようだな」

「……そうですね」


 少しだけ、嫌な予感がする。

 妖精が離れてくれないときは、大抵なにか私の周りで事件が起こる。


「……そんな顔をしないでくれないか」

「すみません」

「何があろうと、守るから」

「……無茶しないでくださいね」

「ああ」


 約束しかねる、という音が重なって聞こえてきたのは、きっと気のせいだと思いたい。

 でも、心の中が読めるなら、絶対に騎士団長様は今……。


「案外早く、使うことになるのかもしれないな」

「……騎士団長様」

「ちなみに、俺のセンスを疑うような顔をしていたが、あれは必要があって贈ったんだ」

「えっ、それならそうと」

「本当のことを言ったら、こうして誘ってはくれなかっただろう?」

「デート、したかったということですか?」

「当たり前だろう」


 確かに、今まで贈ってくれたものは、どれもとても素敵だった。

 軽い羞恥心とともに、緩む唇を隠したくて、ほんの少し私が頬を膨らませてしまったのは、言うまでもない。

最後まで、お付き合いいただきありがとうございます。下の☆を押しての評価やブクマいただけるとうれしいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
次にくるライトノベル大賞2025ノミネートありがとうございました!
gyhodqmaeo7sgiji10v760g13abp_kq4_xc_p0_agh1.jpg;
― 新着の感想 ―
[良い点] 宝石が思いのほか大きかった(^◇^;) 指輪にしたら腕が持ち上がらない〜とか思っていました!よかった笑 それにしてもリティリアがオーナーを思い浮かべたのがすぐにわかるんですね!?アーサー様…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ