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淡い紫の瞳の双子 4


 結局双子はそのあとエルディスから離れなかった。

 けれど、エルディスまで双子が私たちの子どもだと認識していなかったことにホッとする。


「それにしても……」


 屋敷に連れ帰り、ようやく二人を寝かしつけた。エルディスは疲れ切ったようにグッタリとソファーに寝そべっている。


「子どものエネルギーを甘く見てた」

「レトリック男爵領から来てすぐだったのよね。お疲れさま」

「……姉さんの危機だ。もちろん駆けつけるさ――そして収穫はあった」


 エルディスはゆっくりと起き上がった。子どもたちや私とお揃いの淡い紫の瞳が私を見つめる。


 ――ううん、エルディスと視線が合えば思い知らされる。間違いなく私の瞳の色は濃くなっているということを。


「……姉さん、今回の件には魔女様が関わっている」

「え?」


 脳裏に浮かんだのは、白銀の髪と濃い紫の瞳を持つ森の魔女様だ。


「たぶん、姉さんが知っている魔女様じゃない」

「……他の魔女様が関係しているというの?」

「妖精たちの言うことは取り留めないけれど、総合すればそういうことになる」


 七色のさくらんぼをわけてもらうため魔女様の家を訪れ、偶然通りかかった騎士団長様を連れていってしまった。

 そのときに魔女様は自分以外の魔女だったら命はなかったと言っていた。


 あのとき感じた恐ろしさが、再び襲ってきた。けれどそれと同時に子どもたちのことが心配になってしまう。


 こんなに可愛い子どもたちが魔女と関わりがあるなんて……。


 そう、たった一週間だけれど、この子たちの可愛さに私はメロメロなのだ。


 幼げな寝顔は、騎士団長様の寝顔によく似てる。


「……アーサー様はまだお帰りにならないのね」

「ああ、僕もまだヴィランド卿とは話せていないんだ。ヴィランド卿は、陛下からの急な招集を受けて、僕に子どもを預けて行ってしまったから」

「陛下から?」


 騎士団長様が陛下に呼び出されるのはいつものことだ。

 それなのに、魔女様の話を聞いたせいなのか不安でしかたがない。


 再び双子に目を向けると、男の子がガバリと起き上がった。


「お母様!!」

「どうしたの? 怖い夢でも見た?」


 男の子は私にしがみついた。


「早く行かないと!! ピンクの髪のお兄ちゃんを助けないと!!」

「え……?」


 ピンクの髪の毛の知り合いは、一人しかいない。


「フェイセズ様……?」

「……っ、お兄ちゃんを助けないとお母様とお父様は!!」


 男の子は必死の形相だ。

 そのとき、私の耳元に誰かが囁いた。


『カイルとフローラ』


 それが何を示しているか、私にはすぐにわかった。音がした方に視線を向ければ、そこには見慣れた妖精がいる。

 金色の光でいつも表情が見えなかったはずの妖精は、微笑みを浮かべていた。


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