術者【デュエリスト】2
「そのデュエリストと対峙するのがRuca。ここまでの説明までは理解できたかしら? まあ、理解できなくても時間がもったいないから構わず進めるけど……」
もはや選択肢すら一択に絞ってくる彼女に恐怖すら覚えた。優しいのか、厳しいのか滅茶苦茶わかりにくいぞコイツ……ただ、説明の要点はしっかりと抑えることが出来たため、理解はしやすかった。本人には言わないけども……
「まあ……概ね理解した。ただ気になるのはデュエリストと対峙するのはRucaだけなのか? 実は他の組織団体と対立してるとかはないのか?」
「それは問題ないわ。一応、術者【デュエリスト】というものは国の政府が公式で支援者【スポンサー】としてついているからRucaの殺害、Ruca関連の問題解決が認められてるのよ。勿論、極秘でね」
「ふーん、Rucaってやつの存在は国自体が認めてるんだな。ニュースとかでやってる事件とRukaは関係してたり……」
先週ですら行方不明者が続出しており、今週はその人数を上回っているのだ。こんな騒ぎになっているのだからせめて関係くらいはしていてほしい、のだが
「してない」
……即答だった。先ほどの期待は一瞬にしてガラガラと音を立てながら崩れ落ちる。