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ショートショート5月~

に げ ら れ な い

作者: たかさば

やまの上に立つ、私の実家。


つい先日、たて壊しになった。


とうとう、なくなっちゃうのか。


みんな、いなくなっちゃったなあ。


ついこのまえ、立て替えたはずなのに。


けっきょく、誰もいなくなった。


たしか、あのあたりは、人気のない土地。


いずれは、駐車場になるんだろうな。


まあ、時の流れは仕方がないから。


かなしいけれど、受け入れるしかない。


らい年はもう誰も訪れない、あの場所。


あの人も、もう、追ってこないはず。


いつもわたしを追って来ていた文通相手。


にげることができなかった、私。


いまでも私、逃げ続けていたのに。


くやしいよ、逃げ切れなかった。





やまの上に立つ、貴方の家。


つい先日、取り壊しになった。


とうとう、手がかりがなくなった。


みんな、消してやったのに。


ついこのまえ、証拠隠滅したのに。


けっきょく、貴方だけが手に入らずに。


たしかに、人気のない土地だから助かったよ。


いずれは、見つかるかもしれない。


まあ、時の流れに身を任せよう。


かなしいな、貴方がいない事実。


らい年こそは、ぼくが抱きしめたい。


あなたがただ、愛おしい。


いつでも貴方を追って行くよ。


にげるなんて、許さない。


いまでも僕は、君のそばにいる。


くやしいかい? 僕の勝ちだ。




僕の、勝ち、なんだよ。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 男のヤンデレは見苦しいぞ! ただしBLなら許す。 [気になる点] 何故にこんな話が!? [一言] やだなぁ、こんな人生。
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