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第十四話 翌日


暑い、暑い暑い暑い。


「暑いっ‼︎」


酷く暑苦しく目が覚めた。呼吸が乱れているのでまずは深呼吸。


「ふーはーふーはー、ふぅー。げっ、何だこれ!」


寝間着が水浸しだった。ベッドの方も湿っている。いやよく見るとこれは僕の汗だ。そう気付き安心した。この歳で漏らすのはまずい。僕の中でおねしょは中学生までと相場が決まっている。普通は小学生までだろうが僕の視野は広い。中学生という多感な生き物の儚さを知っている。寝ている間に漏らすぐらい大目に見てやろうじゃないか。



時計は十二時を指している。昨晩はいつにも増して早寝したのに昼まで寝てしまったのか。


取り敢えず汗を洗い流したく思い風呂場に。汗で服が脱ぎにくい。わざわざ沸かすのも面倒なのでここはシャワーの一択。夏場は冷水か温水か迷う。暑いから冷水だ、という声が聞こえて来そうだが寝起きに冷水は心臓に悪い。勝手なイメージだが。


迷った時は間を取れ。これは僕の数少ない教訓である。


「ぬっる!!」


まぁこれぐらいでちょうどいいだろ。


ぬるま湯シャワーを烏の行水で終えリビングへ。パンツ一丁は家だからこそ出来る至福のひと時である。一歩外に出れば公然わいせつ罪になり得るのが危うい所。


キッチンの横に掛けてあるホワイトボードには「昼」「チャーハン」「食べて」の文字が書き殴ってある。姉さんが大学に行く前に書

いたらしい。


大変有難いのだが、そこまで急ぐのであれば無理して用意してくれなくても良かったのに。簡単な料理ぐらい僕だって出来る。お湯をかけて三分待つ。おっと早まってもらっては困る。ただカップラーメンを食べるだけなんて野暮なことを僕がいうものか。それは調理であって料理ではないからな。僕がひと味違うのはラーメンを作った後インスタントの白飯と卵スープをお供にするところにある。これでラーメン定食の完成だ。


しかし、ここは姉さんの作った炒飯を頂こう。結局一番美味しいのは家庭の味なのだから。


レンジで一分回せば文明開化の音がする。


チンーーー


さっとラップを剥がし、スプーン一杯お口の元に。香ばしく美味しい、美味しいのだがもう十分だ。これ以上食欲が湧かない。満腹でもないのに食べようと思えない。中枢が壊れたのだろうか。


僕は夏バテを疑った。考えてみれば朝も多量の汗をかいていた。軽い脱水症状を起こしているのかもしれない。そう考えた途端変に肩も凝っているように感じられた。


まだ昼間だが今日は家で大人しくしていよう。録り貯めたアニメや隣から借りた漫画に小説もある。暇に困る事はない筈だ。



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