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ぼくの詩集

概念ごっこ

作者: 桜井あんじ

ぼくは概念です

ぼくは概念です

ぼくは ぼくという名の ただの概念です


ぼくのいるここは 現実という 概念だそうです

そのなかで ぼくは

愛という概念や 幸福という概念について 

かんがえたり なやんだり 

いろいろがんばったり ためしてみたり しています

なんのためかは いざ知らず


あなたの言う それは 愛という概念

脳内ホルモンの分泌です


あなたが見せてくれる 優しさという概念

社会生活を円滑にする技術です


あなたの信じる 正義という概念

便宜上の決まりごとです


ああ この世界すらただの概念ならば

かたちあるものなんて

たしかなものなんて

なにもないのです きっと

どこにも いつの時代にも

ゆるぎないものなんて

なあんにも

なあんにも


ただひとつ たしかなものは そう

ぼくがここに存在するということ

なので ぼくは ぼくの存在を 信じるのです


そんなおかしなこと 夢うつつに 考えながら

朝起きて 真っ赤なトマトという概念に 

マヨネーズという概念をかけて かぶりつき

日がないちにち 

さまざまな概念の中で 洗濯機の中の洗濯物のように もみくちゃにされ

夜は

ビールと焼き鳥という概念と共にしばし考え そしてまた眠る


そんな ぼくという存在の 概念

いつかは 消えてなくなり

塵になり

だれも ぼくのことなんて

おもいださなくなる

だれも

だあれも

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