表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
日常幻想  作者: 月御影
2/13

夜と雨

―夜と雨―

「小夜ちゃん」

雨が強く降る夜。今日はそんな日。

特に何の気もなく、暗闇にぽつりと呟いた。

「呼んだかにゃ?」

ひょこり、と小さな少女が窓からこちらを覗く。

漆黒の髪は雨に濡れることもなく、大きな灰色の瞳はキラキラと私を見ている。


「ん、こんばんは」

「こんばんみゃ!」

返事を返すと嬉しそうに窓を開けて入ってきた。

もう鍵とかそんなの無視。

「今夜は雨なんだね」

「んみゅ…雨、イヤ?」

しゅんとする小さな少女。

そう、彼女がこの“夜の雨”を表す者…小夜時雨ちゃんだ。

「別に、私は好きだよ」

「本当ッ!?」

くすっと笑って答えると、先程までの落ちこみが嘘のように顔を輝かせる。

その様子にまた笑みをこぼし、小さくてふわふわの頭を撫でた。

「うん、夜の静かなときの雨音って少し気持ちいいし」

「きゃー!紫お姉ちゃん大好き!!」

「おっと…」

飛び付いてきた小夜ちゃんを辛うじて受けとめる。

「あーあー、毎日お姉ちゃんに会いたいのににゃー」

ぷくぅっと膨れる小夜ちゃんに笑いながら、それはちょっと…と心の奥で呟いた。

月や星も見たいしね。

げど今夜は…

(雨の夜を楽しみますか)


まだ夜は長い


―小夜時雨【さよしぐれ】―


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ