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Creators Heaven  作者: 八木山ひつじ
第一章
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プロローグ


 私はかつて、神を見たことがある。


 あの日、彼女を抱いて座り込む事しか出来ずにいた私の眼前に、神はほんの少し手を伸ばせば届くほどの距離に、確然と存在していた。

 この世界を遍く彩る森羅万象を創造し、公平かつ絶対なるルールを敷き、全知全能にして唯一の存在を前にして、私は膝を折り、深く頭を垂れて、心の底から願ったのだ。

 どうか、彼女を救って下さい――と。

 しかし。

 いくら望んでも、どれだけ祈っても、決して願いが叶うことはなかった。

 長き沈黙の果てに、私は気付いた。

 永久不滅であるはずの彼――或いは彼女――は、既に手の施しようがないほどに腐り、錆び付き、朽ち果てていたのだ。

 神は――

 否。

  それ(・・)はもう、どうしようもない程に死んでいた。

 所詮はヒトが、奇跡を祈り、救いを願って作り上げた紛い物だったのだ。

 これは偽物であり、あれは虚像であった。

 それは木偶であり、もはや残骸であった。

 私は、確信した。

 この世界に、神は不在いない。

 ならば。

 ならば、どうする?

 ――簡単なことだ。

 創り直せばいい。

 今度こそ、神が存在するに相応しい世界を。

 今度こそ、彼女が心から笑うことができる楽園を。

 だから、私は――


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