表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
疑惑  作者: 認識
1/1

出会い

短編小説です。

本当に短いですが読んで頂けると嬉しいです。

これはどこかで起こった物語



僕はこんな繰り返すだけの毎日は嫌だ。

なんて事をいきなり言ってみたところで、

「何だこいつは? 中学生か」とか、「知らねえよ」なんて声が聞こえてくる気がする。

自分でもそう思う。

でも、思ったからと言ってそれに気付いているとは限らない。

僕がこれまでの18年で起こった出来事で一番大きな事件は両親の喧嘩により、両親が離婚。

そして母親一人に育てられた。

これだって僕の幼少のころの出来事で自分とは関係ないところで起こった。

結局僕は主人公になれない。

人はいつだって大事な物には後から気付く。


僕はそれを理解するのに18年かかった。



進学も決まり、後はただ目標も無く通っていた高校の帰り道。

放課後に部活動も終わり、友人と遊ぶ事も無くまっすぐと家に向かう。

やる事も無く、膨大な暇な時間を無駄にするために。

けど、今日ばかりは違った。時間の無駄遣いをさせてもらう事は出来なかった。

家に帰ってもやる事はないんだから、と橋の下で暇つぶしをしようと考えた。

たまにはいつもと違う事をしてみたくなったのだ。

なんで今日に限ってそんな事を考えてしまったのだろうか?

草が生い茂った道をかき分けながら進んでいき、橋の真下、コンクリートで塗装された部分を目指していく。

しかしそこには先客が居た。そのスペースで横になっている人物。

「おい、誰だよ。」

そう呟いて、考え始める。

どうせ、ホームレスのおっさんだろう。じゃまだな。ちっとばかし驚かせてやるか。

そんな事を思いながらどんどんと近づいて行く。

そして自分とは反対の向きに寝ている人物に向け、

「おい、おっさん。ちょっとの間ここを貸してくれねえかなぁ!」

と、怒鳴った。

自分で思う怖い顔を思いっきりして(上手く出来ているか分からないが)睨みつける。

だがそんな俺の努力も虚しく無反応なおっさん。

なんだよ。無反応かよ、しらけるな。

だからと言ってこのまま引き下がるわけには行かねえし。

「聞こえてんだろうが、おっさんよぉ!」

今度は体をゆすりながら話しかける。それでも起きないのでどんどんとゆする力を大きくしていく。

その反動でごろり、と体が俺の方を向く。

「な、なに?」

その胸あたりにナイフが刺さっていた。

こう、見事にズブリと直立していた。垂直にね。

これはまさか俗に言う、

「マジかよ、まさか俺が第一発見者?」

どうするよ!どうする俺!

そうだ、警察に連絡するか?それが当然だろう。

俺はなんとか気持ちを落ち着かせて制服のポケットから携帯電話を取り出した。

番号を打鍵して警察に連絡をする。

「はい、なんでしょうか」

「もしもし大変です!し、死体が、人が死んでいます」

「えっ!?本当ですか?」

警官の人と話しながら死んでしまっている人の特徴を探すためにおっさんの顔をまじまじと見る。

「分かりました。今すぐ向かうので現在地を教えてください」

「あ、すいませ~ん。なんか死んだふりごっこしていた子供みたいで、すっかり騙されちゃいました。駄目だぞ、メッ、おい、泣くなって。子供泣いちゃったので……」

俺の急な態度の変化に疑問を抱かなかった訳ではないだろう。

しかしそれでも、「次からはちゃんと確認してくださいね」と言って電話を切ってくれた。

俺が嘘を付いた理由。それは、この顔……どこかで見たような気がするのだが。

クラスメイトか? 

それとも、どこかですれ違っただけか?

分からない。ただいつも見ている様な――そんな気がする。

どこだ?

俺とこいつ――どこで会っている?


もしかしたら続くかもしれません。

その時はまた読んでくださいね^^

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ