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第五部 第十一話 ノア、分からないまま、間に立つ

頑張る大型犬系男子ノア

正式に現場に配属されてから、ノアはずっと「半歩後ろ」を歩いていた。


前に立つな。

判断するな。

拾え。


そう言われた通りにしている。


拾う。

拾って、渡す。

整理はしない。


それが、今の自分の役目だ。

だから、見える。


以前より、ずっと多くのものが。


声が、落ちている。


質問にならない疑問。

不満にすらなっていない違和感。

口に出したら、

評価が下がると分かっている沈黙。


ノアは、それを覚えていく。


メモは取らない。

記録もしない。


頭に残す。


あとで、兄さんに渡すために。


……渡せるかどうかは、まだ分からないけれど。


廊下ですれ違った会話。


「佐伯さん、最近ますます早くない?」

「早いっていうか、もう追う気しなくなった」

「正しいんだろうけどさ」

「正しすぎると、怖いんだよ」


ノアは、歩みを止めない。


止めたら、聞いていたと分かる。


聞いていたと分かれば、誰も本音を言わなくなる。


兄さんは、全部を見ている。


だから、自分は拾う。


でも。


拾った声を、どう渡せばいいのかが、まだ分からない。


ーーー兄さんは、「正しい」。


それは、否定しようがない。


数字も、工程も、結果も。


全部、兄さんの言う通りに動いている。


それでも、空気は重い。


ノアは、ふと思う。


自分は、あの時と同じ場所に立っているんじゃないか。


殴った時。


守ろうとして、前に出て、結果として壊した。


今回は、殴っていない。


言葉も、抑えている。


でも。


”何かが、同じ方向に進んでいる気がする。”


兄さんの背中を見る。


細い。

相変わらず。


背負う量だけが、増えていく。


ノアは、拳を握らない。


その代わり、息を整える。


ーーー今は、言えない。


兄さんは、まだ「分からない」状態だ。


分からないまま、必死に正しさを積み上げている。

その邪魔をするのは、違う。


でも。


このまま行けば、いつか、言わなきゃいけない。


その時に、自分がちゃんと翻訳できるように。


ノアは、今日も声を拾う。


拾って、胸に溜める。


ーーーそれが、今の自分にできる唯一の仕事だから。



感想をいただけると嬉しいです。

※一応完結分までは完了してますので都度載せる予定です。

よろしければ見てください。


AIアシスト作品です。


僕はまだ、ただの学生だったはずなのに。

気づいたら、伯爵家と組織と、大人たちの胃を一手に引き受けていた。

これは「有能すぎたせいで詰んだ男」の話。

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