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第八話 佐伯悠馬は、拒否を口にした / ノア・ハミルトンは選ばされた

悠馬、猶予を勝ち取った

クリスマス休暇は雪と一緒にやってきた。

屋敷は明るく華やかで、どこか浮ついていた。


でも、僕の胸の中だけが静かに重かった。


週末どころじゃない。平日も、休日も、ずっとここにいる。

逃げ場だった寮は閉じられている。


『平日という名のオアシス』は消えた。


「悠馬ーー!ツリーこっち!!」


凛が叫ぶ。

凛は相変わらず元気で、飾アリを勝手に増やしてバランスを崩し、叱られる。


「兄さん。あれ落ちる」


蘭はソファから動かず、敵確認未来?を予言する。


・・・・それはいつもの光景。


なのに、胸の奥が軋む。


ノアは、少し距離を取っていた。

動く前に僕を見る癖が、完全に染みついている。

そのたびに僕の胃が痛んだ。


『止めなきゃいけない理由が増えていく』


夕食後の書斎。

叔父上と父が向かい合っていた。

僕も呼ばれていた。


理由は、、わかっている。


「悠馬」


叔父上がいう。


「ノアは少し落ち着いてきた」


それは事実だった。


「君のおかげだ」


「……違います」


声は、自分でも驚くほど静かだった。

二人の大人が同時に僕を見る。


「僕がいなくても落ち着く方法を考えなきゃいけないです」


僕は、言葉が止まらなかった。


「僕は……ずっとここにはいられません」


空気が凍った。

父が初めて戸惑った顔をして言った。


「悠馬?」


「僕十三歳です」


その一言は刃物みたいだった。


「もうすぐ十四歳です。小さい子じゃないけど、まだ子供です。

僕には学校があって、生活があって、友人だってほしいです。この家の”安全装置”じゃない」


言ってしまった。とうとう言ってしまった。

もう、後戻りできない。

その時、扉の外で気配がした。


ーーーー聞いていた。


ノアは立ち尽くしていた。

「俺のせいだ」

という顔で。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

※ノア目線です


ノアは、初めて理解した。


悠馬兄さんは「命令」で動いてたんじゃない。「我慢」で動いていた。


「俺が選ばなきゃいけないのか?」


そういったのは俺だった。

俺は書斎に入っていった。

中には父上も、父さんも、母上も、菜摘母さんも……みんないた。


「悠馬兄さん」


俺はまっすぐ言った。


「行ってもいいよ。大丈夫だよ」


その言葉は震えていた。


「俺……自分で止まる。止まれるから。」


父上が、初めて言葉を失った。父さんは驚いて俺を見た。

その時、母たちが動いた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

※ここからまた悠馬目線です


「当然ね」


ジェシカ叔母上は即断だった。


「この子は十三歳よ」


続いて菜摘母さんが言った。


「大人びてても子供は子供」


視線が父たちに刺さる。


「都合よく悠馬に”役割”を与えすぎたわね」


後ろでじっと見ていた凛と蘭もそれに加わる。

凛は腕を組んで言う。


「兄さんがいないとやばい家ってどうなの?」


続いて蘭もボソッと続ける。


「それ、普通じゃないよね」


沈黙。


そして、叔父上が深く息を吐いた。


はぁ…私たちは、間違えていたな」


その言葉は重かった。


結論としては……とてもシンプルだった。


僕は学校へ戻って、「普通」に過ごす。

ノアは今までと同じ、もちろん鍛錬も続けていく。


でも、『判断は一人ではさせない』


雪の夜。


僕とノアは並んで外を見ていた。


「ありがと、悠馬兄さん」


ノアは言った


「選ばせてくれて、、、」


僕は小さく息を吐いた。


「次は自分で考えて」


「うん…」


つかの間の安息。

でも確かに勝ち取った。


あと、5年…?ノアが、入学してくるまで。


長いようで短いけれど、確かな時間。















AIアシスト作品です。


僕はまだ、ただの学生だったはずなのに。

気づいたら、伯爵家と組織と、大人たちの胃を一手に引き受けていた。

これは「有能すぎたせいで詰んだ男」の話

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