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第四部 第十話 悠馬、一人で回るということ

悠馬ほぼアンドロイド化してないかコレ…

ノアがいなくなって、 しばらくが経った。


正確には、「戻る前の時間」に入った、というべきだろう。


ロンドンのオフィスは、相変わらず忙しい。


忙しいが、混乱はない。

むしろ、余計な摩擦が減っていた。


会議は短く、決定は即座。


誰も、「ノアはどうしますか」とは聞かない。

聞く必要がないからだ。


今、ここにいるのは自分だけ。

それが、前提になっている。


午前中は会社。


午後は、家の案件が割り込む。


親族からの連絡。

噂の火消し。

ノア不在に対する

説明と調整。


どれも、急ぎではない。


だけど、放置すると後で面倒になる。


だから、先に処理する。


ノアがいない分、雑事は増えている。


それでも、回る。

回ってしまう。


「……順調ですね」


秘書が言う。


「数字も、反応も、問題ありません」


問題はない。

だから、誰も止めない。


自分も、止まらない。


屋敷に戻る日が、減っていた。

戻っても、やることは同じだ。


書斎で書類を開き、感情の絡む話を一つずつ箱に分ける。


受け止めるもの。

保留するもの。

流すもの。


それだけで、空気は落ち着く。


人は、「決まっている」というだけで安心する。


それが、正しいかどうかは二の次だ。


夜。


ロンドンのフラット。


一人で食事を取る。


味は、悪くない。

でも、記憶には残らない。


机に向かい、今日の判断を振り返る。

間違いは、ない。

数字も合っている。関係も壊れていない。


それでも、胸の奥に小さな引っかかりが残る。


ーーこれで、いいのか。


ノアがいた頃は、必ず一度は立ち止まった。


説明する必要があった。言葉を選ぶ時間があった。


今は、それがない。


効率は、確実に上がっている。


だからこそ、怖い。


自分が「最適解」になりつつある感覚が。


最適解は、更新されない。

更新されないものは、いつか環境に合わなくなる。


それでも。


今は、自分が立つしかない。


『ノアが戻るまで。』


戻ってきた時に、並べる場所を残すために。


「……一人で回る、か」


呟く。


できてしまうことが、正しいとは限らない。

でも、やらないわけにもいかない。


人の上に立つということは、正解を出すことじゃない。


”間違いが起きない場所を、作り続けること”だ。


それを、自分は今も考えている。

考えながら、立っている。


答えは、まだ先だ。


だから、今日も一人で回す。


ノアの席が、空いている間は。




感想をいただけると嬉しいです。

※一応完結分までは完了してますので都度載せる予定です。

よろしければ見てください。


AIアシスト作品です。


僕はまだ、ただの学生だったはずなのに。

気づいたら、伯爵家と組織と、大人たちの胃を一手に引き受けていた。

これは「有能すぎたせいで詰んだ男」の話。

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