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第四部 第一話 ノア、前に立つ

がんばれノア君!

~ノア・ハミルトン~


最初に思ったのは、静かだ、ということだった。

会議室に入った瞬間、視線が一斉にこちらへ向く。


以前なら、この視線の先には必ず兄がいた。


”佐伯悠馬”

何も言わず、ただそこに立っているだけで、場が整ってしまう人。

 今日は、いない。


「……本日の議題は」


ノアは、自分の声が思ったよりも

落ち着いていることに驚いた。


逃げたい、とは思わなかった。

怖い、とは思った。


でも、ここに立つと決めたのは、自分だ。


「まず、現状の整理から始めます」


手元の資料を見る。


昨夜、何度も読み返したもの。


兄が作った下書き。そこに、自分なりの言葉を足した。


不安はある。


でも、誰も否定しない。


「……若いですね」


誰かが、小さく言った。


褒め言葉だ。


たぶん。


「でも、真面目だ」


別の声。


胸の奥が、少しだけ軽くなる。


会議は、大きな混乱もなく進んだ。


質問が飛ぶ。

答える。

分からない部分は、

「確認します」と言う。


以前なら、その確認は兄がしていた。


今日は、自分が言う。


会議が終わった時、拍手はなかった。


だが、誰も不満そうではない。


「……よくやったよ」


そう言われて、初めて息を吐いた。


外に出る。


廊下の先で、兄が待っている。


「……どうだった?」


静かな声。


「……なんとか」


正直な答え。


兄は、それ以上何も言わない。


褒めない。

訂正しない。


ただ、「お疲れ」とだけ言った。


それが、妙に重かった。


夜。


一人になってから、ようやく思う。


立てた。


でも。


胸の奥に、小さな引っかかりが残っている。

あれで、本当に全部だったのか。

自分は、何か見落としていないか。


ノアは、その答えをまだ知らなかった。

感想をいただけると嬉しいです。

※一応完結分までは完了してますので都度上げる予定です。

よろしければ見てください。


AIアシスト作品です。

僕はまだ、ただの学生だったはずなのに。

気づいたら、伯爵家と組織と、大人たちの胃を一手に引き受けていた。

これは「有能すぎたせいで詰んだ男」の話。

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