幕間 噂は国境を越え、トップはそれを拾い上げる(前半)
家族会議、親族会議の直前の裏側であったことです。BLに理解のある国……ってコト?
※話は少し戻る。この出来事は、家族会議と親族会議が開かれる直前に起きていた。
『噂というものは、真実よりも、物語性を好む。』
そして物語は、国境を簡単に越える。
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「……確認したい」
ハミルトン邸・応接室。
エドワードの向かいに座るのは、某国大使だった。
穏やかな笑顔。だが、目が笑っていない。
「御家の次期当主ノア様と、佐伯悠馬様の関係について」
空気が、目に見えて冷える。
「一部では、“極めて親密な関係”と理解されておりまして」
「それは誤解で――」
エドワードは、反射的に否定しかけた。
だけど。
「誤解、ですか?」
大使は、にこやかなまま言葉を重ねる。
「我が国では、その理解を前提に、若年層向けの
文化交流プログラムが拡散し始めています」
「……は?」
「多様性を尊重する先進的貴族像、として」
差し出された資料。
・“禁欲で一途な次期当主”
・“支える知性の伴侶”
・“新しい貴族の形”
エドワードの視界が、一瞬、白くなる。
「いや、待ってくれ!
それは、完全に………」
「好意的評価です」
大使は即答した。
「非常に。」
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別の日、別の国。
「ハミルトン家、次期当主の価値観は、
我が国と親和性が高い」
「……なぜ?!」
「噂で」
それだけで、十分だった。
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こうして。
誰も正式に否定しなかった噂は、“進歩的象徴”として
一人歩きを始めた。
エドワードは、この時点で悟った。
「……これはもう、止められない」
噂は、家の外で完成しつつあった。
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この時、エドワードはまだ知らなかった。
この“好意的評価”が、 家の内側で
”どれほどの修羅場”を生むかを。
そして、誰がその責任を引き受けることになるのかを。
感想をいただけると嬉しいです。
※一応完結分までは完了してますので都度出します。
よろしければ見てください。
AIアシスト作品です。
僕はまだ、ただの学生だったはずなのに。
気づいたら、伯爵家と組織と、大人たちの胃を一手に引き受けていた。
これは「有能すぎたせいで詰んだ男」の話。




