幕間 そして誰も責任を取らない
かくして、ノアと悠馬のBL談が…(違)
ジェシカ、「これは使える」と判断する
「……なるほど」
ジェシカは、凛と蘭から上がってきたレポートを最後まで読み終えた。
・ノア=禁欲系王子
・恋愛対象を明示しない
・“誰にも靡かない”という神話
・ファン層、拡大中
「これは……」
少しだけ、当に少しだけ笑う。
「ブランドとして強すぎるわね」
「え?止めないの?」
凛が聞く。
「止める理由がない」
……即答。
「本人、何も言ってないけど」
「言っていないなら、“否定もしていない”」
蘭が眉を寄せる。
「でも噂、だいぶ変な方向に行ってない?」
「噂はね」
ジェシカは、ページを閉じた。
「放置すると暴走する」
「整えれば、資産になる」
横で、菜摘が静かに補足する。
「収益は教育基金に回すわ」
「当人に直接の被害は出さない」
「……完璧」
「……完璧だね」
凛と蘭、小さく拍手。
※この時点で、誰もノア本人に説明していない。
意図的に、ではない。
ただ、後回しにしただけだ。
~噂、完成形へ~
夜会。
貴族社会。
情報の発酵場。
「ねぇ…聞きまして?」
「えぇ…ハミルトン家の跡取り、女性に興味ないどころか……
同居してる佐伯悠馬様に一途らしいわよ」
「え?あの成績化け物の?」
「そうそう」
「愛が深すぎて、誰にも靡かないのですって!」
「じゃあ、佐伯様の妹さんとの婚約は?」
「カモフラージュらしいわ」
噂は、
勝手に整い、
勝手に完成した。
・禁欲
・一途
・同居
・偽装婚約
・悲恋
どこからどう見ても、物語としては完成度が高い。
なお。
誰が言い出したのか、
誰が責任を持つのか、
誰が止めるべきだったのか。
その答えは、どこにも残っていない。
ただ、「便利だった」という事実だけが、
きれいに残った。
感想をいただけると嬉しいです。
※一応完結分までは完了してますので都度出していきます。
よろしければ見てください。
AIアシスト作品です。
僕はまだ、ただの学生だったはずなのに。
気づいたら、伯爵家と組織と、大人たちの胃を一手に引き受けていた。
これは「有能すぎたせいで詰んだ男」の話。




