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第三部 第九話 悠馬、何も知らないまま噂に殴られる

突然のBL展開(嘘です)

Ⅲ:~理解が追いつかない~


ーーハミルトン邸・書斎ーー


数日後。


僕は、いつも通り書斎で書類を読んでいた。


「……?」


何か、視線が多い。

空気が、妙にそわそわしている。


執事が、一つ咳払いをした。

「悠馬様」

「はい?」

「念のため、お伝えしておきますが……」


……嫌な間。


「世間では現在、

 ”ノア様が悠馬様を一途に愛している”

という認識になっております」


「…………は?」


手にしていたペンが、音を立てて落ちた。


「え、なんですか?」

「さらに」


執事、淡々と続ける。


「その愛情を隠すために、悠馬様の妹君との

婚約話が出た、という理解で……」


僕は、思考が止まった。


「……婚約?」

「はい」

「……だれが?」

「ノア様です」

「……愛してる?」

「はい」

「……だれが」

「ノア様です」

「……だれを?」

「悠馬様です」

「……同居?」

「事実です」

「……一途?」

「噂です」


頭の中で、何かががらがらと崩れ落ちた。


「……誰が広めたんですか」


執事は、ほんの少しだけ、目を逸らした。


「……複数名です」


深い、深いため息。


「……ノアは知ってる?」

「一部は」

「どの辺?」

「“禁欲系王子”までです」

「そこまでで止まってるなら、まだマシか……」


その時。

ノックもなく、ドアが開いた。


「兄さん!」


ノアだった。


「……噂、聞いた?」


僕は、恐る恐る聞く。


「……うん」


ノアは、気まずそうに頷いた。


「でもさ」


顔を上げる。


「兄さんなら分かるだろ?」

「……何が?」

「俺、そんな器用じゃない」


一拍。


「噂みたいなこと、してない」


悠馬は、静かに頷いた。


「……うん」

「でも……」


ノアは、続けてしまう。


「兄さんが特別なのは本当だし…

女性に、どう接していいか

分からないのも本当で…」

「…ちょ…」

「兄さんみたいに考えられない」

「……待って?」


僕は、手を上げた。


「それ、誤解の燃料」

「え?」

「今の発言、外で言ったら確定演出」


ノア、一気に青ざめる。


「……じゃあ…俺、

 どうすれば……」


悠馬は、天井を見上げた。


「……どうしようかな」


心底、困った。


否定すれば、火に油。

放置すれば、事実扱い。


怒れば、“悲恋”。


「……」

「……兄さん?」


僕は、ゆっくりと笑った。


「何もしない」

「え?」

「否定もしない」

「肯定もしない」

「説明もしない」

「時間が経てば、次の噂が出る」


ノアは、目を丸くした。


「……兄さん、強すぎない?」

「慣れてるだけ」


僕は立ち上がり、静かに言った。


「ただし」

「エドワード叔父上だけは後で呼ぶ」


遠くで、誰かが盛大にくしゃみをした。


悠馬は、引き出しを開ける。


胃薬。


残り、少なめ。


「……買い足そう」


今日の結論は、それだけだった。

感想をいただけると嬉しいです。

※一応完結分までは完了してますので、都度載せていきます。

よろしければ見てください。


AIアシスト作品です。

僕はまだ、ただの学生だったはずなのに。

気づいたら、伯爵家と組織と、大人たちの胃を一手に引き受けていた。

これは「有能すぎたせいで詰んだ男」の話。

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