表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
48/160

第三部 第七話 ~誰もそんなつもりじゃなかった~

噂って怖いわね。

Ⅰ:推しは勝手に増殖する


後から振り返れば、すべては同時に起きていた。

誰かが仕掛けたわけでも、誰かが望んだわけでもない。


ただ、噂と需要と金の流れが、同じ方向を向いただけだった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「……売れてる」


凛は、スマホの画面を何度も見直していた。


「……売れてるね」


蘭も、感情を挟まずに同意する。


日本滞在中、軽いノリで始めた試み。


・“貴族系イケメン概念”アクスタ

・「公式ではないが事実」風ブロマイド

・ランダム封入(※悪魔の発想)


どれも、深く考えずに置いたはずだった。


「最初はさ」

凛が言う。

「女子向けだと思ってたじゃん?」

「うん」


蘭は頷き、購入者分析を表示する。


・女性:多い

・男性:……多い

・年齢層:広い

・コメント:情緒が深い


「……これ」

凛は眉をひそめた。

「“推し”じゃないね」

「“信仰”だね」

蘭は即答した。

二人の脳裏に、同時に浮かぶ顔がある。


『ハミルトン父子。揃って、罪深い造形。』


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


同じ頃。


英国の夜会では、別の“材料”が生まれていた。


「ノア様、こちらの方を――」

「ご紹介を――」


いつもの光景。いつもの流れ。

そして、いつもの断り方。


「……すみません、

今日はそういう場では来ていなくて」


丁寧で、

誠実で、

余計な含みのない言葉。


だがそれが、致命傷だった。


翌日。


「聞いた?」

「ハミルトン家の跡取り、女性に興味ないらしいわよ」

「じゃあ……?」

「男性の方がお好きなんですって」


尾ひれが付く。

羽が生える。

勝手に飛ぶ。


本人は、何も知らない。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「……ねえ凛」

蘭が言った。

「ノア、噂になってる」

「どんな?」

「“禁欲系貴公子”」


凛は、一瞬だけ沈黙した。

そして。


「……売れる」

「だよね」


方向転換は、一瞬だった。


・“近づけない高潔さ”

・“選ばない姿勢が逆に尊い”

・“恋愛対象を明示しない余白”


「……これ」


凛が指を叩く。


「BL層と女性向け、両取りできる」

「地獄だね」


蘭は淡々と言った。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


数日後。


完売御礼。

追加生産決定。

海外発送開始。


二人は、顔を見合わせる。


「……これ」

凛。

「本気で事業だよ」

「うん」

蘭。


「「ママたちに怒られるやつ」」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


そして、案の定。


「……説明して」

菜摘は腕を組んだ。

「……事故です」

凛。

「……文化です」

蘭。


ジェシカは、資料をめくりながら言う。

「なるほど……

市場分析、悪くないわね」

「え?」

「公式化しなさい」

即断。

「「え???」」

「勝手にやるから怒られるの」

「管理すればいいわ」


菜摘は、深く頷いた。


「利益率、悪くない」

「条件は三つ」


ジェシカが指を立てる。


1:ノア本人に知らせない

2:エドワードは関与禁止

3:悠馬は最後まで知らない


「「了解」」


凛蘭、即答。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


しばらくして。


「……俺?」

ノアは、噂を聞かされ、困惑した。

「女性に興味がない?」


「噂です」


執事は淡々と答える。


「……え?男性が好き……?」

ノアは、天を仰いだ。

「俺、何もしてない……」


だけど。


周囲の視線は、どこか敬意すら帯びている。


「……まあ」

ノアは、諦めたように呟いた。

「放っとこう」


これが、後に“伝説”と呼ばれるものの、本当の始まりだった。

感想をいただけると嬉しいです。

※一応完結分までは完了してますのでよろしければ見てください。


AIアシスト作品です。


僕はまだ、ただの学生だったはずなのに。

気づいたら、伯爵家と組織と、大人たちの胃を一手に引き受けていた。

これは「有能すぎたせいで詰んだ男」の話。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ