表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39/160

第三部 第一話 佐伯悠馬、条件付きで帰ってきたら家がうるさすぎた

悠馬君一時帰省。

裏設定

ハミルトンのカントリーハウスは広いです。そのなかの小さめの広間を「ハミルトングループ」の会議室代わりに使ってます。ファミリー企業だからね。ほかに一応ロンドンに会社としてのオフィスがあるという設定。

僕は卒業式の前に、一度だけ家に戻ることにした。

――状況確認のつもりだった。


屋敷の門が見えた瞬間、僕は嫌な予感しかしなかった。


ーーーーうるさい


物理的に。


窓の内側から聞こえるのは、

「違う!その資料はそっちだ!」

「だーかーらー!数字が合わないっていってるでしょう!」

「ノア!筋トレは後にして!」

「後っていつ!?今でしょ!!」


……かえって来た感が強すぎる。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「……だいま戻りました」


控えめに言ったつもりだった。

だけど。


「悠馬兄さあああああぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!!」


ノアが突進してきた。

……物理で。


「待てノア!!」


遅かった。と、いうか、ノアが早かった。

僕は見事に捕獲され、肋骨に全力のハグを受けた。


ノア、また一回り成長してないか。


背も、肩幅も、全部が前より大きい。

僕は大学で「中学生?」って聞かれたこと、まだ忘れてないんだけど。


「生きてた!!」

「死ぬほど失礼だな!?てか…

……ノア、また育ってない?」


「ん?そう?」

心当たりゼロの顔で言う弟に、軽く絶望する。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「ノア、離れなさい!!」


菜摘母さんの声。

助かった!と思った次の瞬間、、、


「悠馬、荷物そこおいて。会議五分後」


……助かってなかった。


「え?ちょっと待ってください」


僕は両手を上げた。


「僕、”条件付き帰還”です」


「はい?」

……全員同時に叫ぶ。


「えーと…」

僕は深呼吸した。

「最初の決断は下しません。

決定権は集中させません。

僕を止め役にしないでください」


「あと……」

一泊。

「今日は、状況確認だけです」


……全員沈黙。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


改めて小広間。


「……成長したな」

エドワード叔父上、なぜか誇らしげ。

「だが、戻ってきたんだろ?」

「はい。条件付きで」


「よし」

ジェシカ叔母様の声。

リモート画面越しで聞こえる。


「じゃあまず…悠馬、座らなくていいわ」

「はい?」

「今日は”聞くだけ”なんでしょう?」


満面の笑みが怖い。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「じゃあ現状説明!」

凛が言う。


「会社A、兄さんが抜けたあとも回ってる」

「会社B、止め役不在で現場が荒れ気味」

「会社C、話は来てるけど――恋愛要素ゼロ」


「最後いらないよね?」と、蘭


「雰囲気!」


続けて、蘭が静かに言う。


「叔父様がまた何か画策してました」

「いや!してない!」

「資料、没収されてました」

「……」


拓海父さんが肩をすくめる。

「俺は止めたぞ?」

「止めた顔じゃなかったわよね?」

…菜摘母さん、容赦ない。


「……で」


小一時間ほどの各々各種報告の後、ジェシカ叔母様が締めに入る。


「悠馬」


「はい」


「どう見える?」


全員の視線、、、圧。

だけど、僕は答えない。


「……今日は言えません」

「理由は?」

「いうと止め役に戻るからです」


一瞬の沈黙。

次の瞬間ーーー


「正解」


ジェシカ叔母様が拍手する。


「合格」

「え?」

「あなたが口を出さなかった。

それが一番の成果ね」


ノアがポツリと言う。


「……兄さん、止めてくれないんだ」


少し寂しそう。だけど。


「止めない」

僕は静かに言った。

「でも、一緒に考える」


ノアは目を見開いて……

「それ、めっちゃ難しくない?」

「うん」

「……やるの?」

「やるよ」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


屋敷は、相変わらず騒がしい。


問題も山積み。


誰かが叫び

誰かが止め

誰かが勝手に走る。


だけど……

依然と決定的に違う。

僕は真ん中に立っていない。

少し後ろで、全体を見ている。


「胃が痛くならないな」

小さく呟く。


それだけで帰ってきた意味はあった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


こうして僕は条件付きで帰還した。


初日は

うるさくて

忙しくて

笑えるほど混沌。

でも、悪くない。


多分これが、新しい始まり。














感想をいただけると嬉しいです。


AIアシスト作品です。


僕はまだ、ただの学生だったはずなのに。

気づいたら、伯爵家と組織と、大人たちの胃を一手に引き受けていた。

これは「有能すぎたせいで詰んだ男」の話。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ