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第二部 第五話 ノアは、筋肉では償えないことを知る

設定メモ

この時点で悠馬大王(仮)20歳、大学2年、ノア王子15歳。

もう少し年齢上げてもよかったかな…

ノアは、久しぶりに何もない朝を迎えていた。


訓練もない

寮でもない

決められた時間割もない


ーーー停学中


それが自分の選択の結果だ。


体は正直だった。

目を覚ますと、無意識に腕立て伏せを始めてしまう。


筋肉は裏切らない。

鍛えれば答えてくれる。

努力がそのまま形になる。


だから……ノアは筋肉が好きだった。


だけど、今日は違った。


腕が止まる。

胸の奥に、重たいものが残る。


鍛えても……消えない。


「クソが・・・」


ノアは床に仰向けになった。

天井が、やけに高い。


あの少年の顔が浮かぶ。


孤立した目

濁った視線


救った”つもり”だった。

守った”つもり”だった。

でも、、、壊した。


別の形で。


昼前。

エドワード呼ばれた。


書斎……


いつもなら、背筋が伸びる場所。

今日は胃が重い。


「座りなさい」


エドワードの声は静かだった。

それが一番きつい。


「学校側との話は終わった。処分は決まった通りだ」



淡々と言われる。感情を挟まない。


「そして」


エドワードは続ける。


「被害を受けた生徒と、その家族には直接謝罪する」


ノアは、はっと顔を上げた。


「俺が……?」

「当然だ。逃げ道は用意しない」


それは「罰」ではなかった。

「教育」だった。


謝罪は想像以上に辛かった。

言葉を並べても、相手の表情は簡単には変わらない。


怒り

警戒

疲労


それらを、真正面から受け取ることになる。


「……申し訳ございませんでした……」


ノアは頭を下げた。


こんな時、筋肉は助けてくれない。盾にもならない。


帰りの車でノアは言った。


「……俺、どうすればいい?」


弱音だった。

初めて父に向けた。


「考えなさい」


エドワードは、即答しなかった。


「力はある、責任感もある。だが……」


少し間を開けて続けた。


「使い方が雑だ」


ノアは唇をかんだ。否定できなかった。


「ノア、お前は”止める力”を持っていない。それは…

止めることをずっと”悠馬”に任せてきたからだ」


ノアの脳裏に悠馬の背中が浮かぶ。

何も言わず、前に出ず、それでもすべてを止めていた背中。


「だから」


エドワードは続ける。


「今後の計画だ」


机の上に神が置かれる。


簡潔な箇条書き、タイトルには、

停学中家業の手伝いをする事、と書かれていた。


正式な役職は持たない

決定権は与えない

現場での実務を経験

必ず、報告と相談を通す

”力”を使う場面から距離を置く


「学校の許可は取ってある」


エドワードは言った。


「……鍛錬は?」


ノアが聞く。

エドワードはすこしだけ笑った。


「続けろ。筋肉は悪くない。だが…」


視線が鋭くなる。


「筋肉だけで人は救えない」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


その夜。


ノアは一人でトレーニングルームにいた。

いつもより、負荷を落とす。

回数も少ない。考えながら動く。


筋肉は裏切らない。

でも、答えもくれない。


「……兄さん」


声に出して呼んでみる。

返事は・・ない。

当然だ。


ノアは深く息を吸った。

そして、初めて”計画”を立てた。


力で守らない方法。

仕組みを壊さない方法。

相談をする順番。


それはとても地味で、遅くて、いらだたしい道だった。

でも、、、逃げ道ではない。


翌朝。


ノアは悠馬に、短いメッセージを送った。


「ごめん。俺、ちゃんと考える」


それだけ。


悠馬はすぐには返さなかった。


それでいい。


今は自分で立つ時間。


ノアは拳を握り、ゆっくりと開いた。

筋肉はある。


でも、これからはそれだけじゃいけない。


ーーーーそう思えたのは、初めてだった。



感想をいただけると嬉しいです!!


AIアシスト作品です。


僕はまだ、ただの学生だったはずなのに。

気づいたら、伯爵家と組織と、大人たちの胃を一手に引き受けていた。

これは「有能すぎたせいで詰んだ男」の話。

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