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幕間 佐伯菜摘が家を止め、佐伯悠馬が未来を理解した

悠馬、帳簿スキルを手に入れる、の巻

月末の帳簿を前に、菜摘は静かに息を吐いた。

感情は、数字の後ろに置いてある。


菜摘は

いつも通り数字を確認し

いつも通りペンをとめ

いつも通り一度、深呼吸した。


ーーー増えすぎている。


それだけが事実だった。


「執事長」

「はい、奥様」


二人のやり取りはいつもと同じ。


「この”訓練設備更新費”」

「若様と旦那様です」

「この”緊急修繕”」

「……旦那様です」

「この”医療雑費”」

「若様です」

「承認したのは?」

「伯爵様です」


原因は明確で、対処も明確だった。


「止めましょう」


その一言で、家が止まった。


翌朝


カードが通らない。

注文が通らない。

承認が下りない。


混乱の中心で、悠馬は黙って状況を見ていた。


「……すごい」


誰に向けたでもない、小さな声。

暴れたわけでも、怒鳴ったわけでもない。

ただ「財布を閉じた」だけ。


それだけで、父も、叔父上も、ノアも、行動がかわる。


悠馬は、すぐに理解した。

この家で「最後に従わせる力」は力でも、肩書でも、血筋でもない。


ーーー資金管理だ。


「母さん」


悠馬は珍しくその場で口を開いた。


「これ、計算してやってる?」


菜摘は、少しだけ驚いた顔をして、そして笑った。


「当然でしょ?」

「感情じゃなくて?」

「感情で動いてたら、もっと早く止めてるわ」


悠馬は、深く納得した。


数日後。


屋敷の空気は目に見えて変わった。


ノアは、物を壊さなくなり

拓海は、動く前に考え

エドワードは、承認前に必ず相談する。


『金の流れが、行動を支配』していた。



「……すごいな」


悠馬は帳簿の横に座りながら言った。


「これ、だれにでもできることじゃない」


菜摘は、ペンを置いていった。


「そうね」


そして、何気ない調子で言う。


「だから、将来はあなたがやりなさい」


一瞬、世界が止まった。


「……僕?」

「向いてるわ」


即答だった。


「感情を見て、数字を見て、人を止められる」


悠馬は、帳簿を見る。

数字の向こうに、人が見える。


衝動

焦り


それらを”怒らずに制御できる。”


ーーー確かに。


「叔父上も?」

「ええ」


菜摘はあっさり言った。


「ハミルトン家は、、、ハミルトングループは、そのうちあなたの許可なしでは動かなくなるわ」


未来を告げる声だった。


その夜。


エドワードは帳簿の横に立つ悠馬を見て、少し複雑な顔をした。


拓海は、苦笑していた。


「……最強だな」


悠馬は、何も言わなかった。

ただ、静かに思った。


『この家は、暴力では守れない。金と仕組みで守るものだ。』


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


数年後。


人々は、当然のように言うことになる。


「ハミルトンの最終承認?」

「佐伯だろ」


その名は、爵位でも血筋でもなく、

信頼として

そこにあった。


悠馬は、未来を選んだわけじゃない。理解して、引き受けてしまっただけだ。


それが一番、この家らしい継承だった。








ハミルトン家は、爵位を持つとともに「ハミルトングループ」としての経済圏?を持っています。

(いくつかの会社を総括してるってことね)

それを称していずれ「ハミルトン帝国」的な呼称をされることになるってことですね。


そしてそれを総括するのが・・・・ウフフ


AIアシスト作品です。


僕はまだ、ただの学生だったはずなのに。

気づいたら、伯爵家と組織と、大人たちの胃を一手に引き受けていた。

これは「有能すぎたせいで詰んだ男」の話。

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