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第八部 第十一話 大人たちの判断 ~動かない、という決断~

見守るのも親の役目的な?

拓海が話し終えたあと、しばらく誰も口を開かなかった。


場所はいつもの小さな会議室。

正式な議題ではない。

だが、集まっている顔ぶれは重い。


ジェシカ。

エドワード。

拓海。


そして、空いている一席。


ーーー悠馬はいない。


最初に息を吐いたのは、エドワードだった。


「……なるほど」


短い言葉。

だが、その裏に状況を理解した気配がある。


「ノアは、“足りない”と言われた。

  しかも、責められたわけじゃない」


拓海が頷く。


「むしろ、期待の延長だ。

  だからこそ、効いた」


ジェシカは、腕を組んだまま視線を落としている。


「悠馬は?」


エドワードが尋ねる。


「気づいてる」


拓海は即答した。


「言われなくても、分かるタイプだ。

  でも、聞かない」


「聞けば、配置が崩れると

   分かってるからだろ」


ジェシカが、ようやく口を開いた。


「……二人とも、正しいことをしている」


「でもその結果、

   同時に苦しくなっている」


エドワードが、苦い顔をする。


「放っておけば、どちらかが折れる」


「ええ」


ジェシカは頷く。


「でも、今はまだ折れていない」


拓海が、机を軽く叩いた。


「じゃあ、どうする」


ジェシカは、はっきり言った。


「”動かない”」


二人が、彼女を見る。


「介入しない」

「正解を渡さない」

「説明もしない」


一拍。


「今、動けば」


「ノアは“守られた側”になる」

「悠馬は“止められた側”になる」


「それは、この二人にとって一番まずい」


エドワードが、静かにうなずいた。


「……自分で立ち位置を見つけさせる、か」

「そう」


ジェシカは、淡々と続ける。


「ただし」


声が、少しだけ低くなる。


「”噂が、人格を切り始めたら話は別”」

「その時は?」


拓海が問う。


「その時は、私たちが引き取る。

  悠馬を“守る”んじゃない」


「”状況を止める”」


沈黙。


全員が、同じ未来を想像していた。


このまま進めば、必ずどこかで

歪みが露出する。


だが同時に、今はまだ

“考える余地”がある。


「……」


拓海が、ふっと笑った。


「相変わらず、厄介な二人だな」

「ええ」


ジェシカも、小さく笑う。


「でも」


一拍。


「”並べる可能性がある”」


その言葉に、誰も反論しなかった。

エドワードが、立ち上がる。


「では、今は見守る」

「ノアにはこれ以上圧をかけない」

「悠馬には何も言わない」


ジェシカが、最後に確認する。


「ただし、兆候はすべて拾う」

「冗談も」

「噂も」

「笑い話の顔をした刃も」


全員が、静かに頷いた。

その時点で、決まっていた。


ーーー次に動くのは、この三人だ。


だが、それはまだ先の話。


今はただ、”二人がどこまで行けるかを見る”。


それが、大人たちの判断だった。


感想をいただけると嬉しいです。

※一応完結分までは完了してますので都度載せる予定です。

よろしければ見てください。


AIアシスト作品です。


僕はまだ、ただの学生だったはずなのに。

気づいたら、伯爵家と組織と、大人たちの胃を一手に引き受けていた。

これは「有能すぎたせいで詰んだ男」の話。

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