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第八部 第二話 配置という名の責任

なんか1話と2話順番間違えた_| ̄|○

問題は、誰も間違っていないことだった。


ジェシカは、そう結論づけていた。


会議室の照明は落とされ、

壁面のモニターには、

日本視察後のレポートと

社内評価の推移が並んでいる。


数字は良い。速度も出ている。

判断ミスもない。


ーーーそれでも、空気は悪くなり始めている。


「“佐伯は冷たい”が消えた代わりに」


ジェシカは、指先で次のグラフを示す。


「“佐伯は遠い”が増えた」


エドワードは、腕を組んだまま黙っている。


拓海は、小さく舌打ちした。


「日本で、距離感が可視化された」

「ええ」


ジェシカは頷く。


「良いことでもあり、悪いことでもある」

「問題は、“誰が前に立つか”じゃない」


一拍。


「”誰が、何を引き受けているか”」


資料を切り替える。

ノアの評価。現場での信頼。若さに対する期待。


「ノアは、前に立つ力がある」

「ただし」


視線が鋭くなる。


「彼は、”橋そのものになろうとしている”」


拓海が、低く唸る。


「……それは、折れる」

「ええ」


ジェシカは即答した。


「橋は、渡らせるもの。支えるものではない」


次に、悠馬の評価を映す。


冷静。

迅速。

合理的。


そして、“遠い”。


「悠馬は、上から見すぎている。

それが、彼の才能であり、弱点」


エドワードが、ようやく口を開いた。


「……本人は、自覚しているのか」

「いいえ」


ジェシカは首を振る。


「“できることは、誰でもできる”と本気で思っている」

「だから、置いていくつもりはない」

「でも、結果的に置いていく」


沈黙。


ジェシカは、深く息を吸った。


「だから、配置を変える。二人を、引き離さない」

「でも、同じ役割も持たせない」


拓海が、眉を上げる。


「……具体的には、、悠馬には」


ジェシカは、淡々と言う。


「”最終判断を残す”

でも、現場の翻訳はさせない」


「ノアには」


「前に立たせる」


「でも、“正しさ”を背負わせない」


エドワードが、静かに頷いた。


「……並ばせる、ということか」


「ええ。同じ高さではない。

”役割の違う横並び”」


ジェシカは、最後にこう言った。


「これは、解決じゃない。

“壊れない状態”を作るだけ」


「答えは、本人たちが出す」


立ち上がり、端末を閉じる。


「それまで、私たちが引き受ける」


誰も、異論を挟まなかった。


その夜。


ジェシカは、一人でグラスを傾けながら思う。


人の上に立つということは、答えを持つことではない。


”答えが出るまで、人を壊さずに待つこと”だ。


それができる大人は、案外、少ない。


だからこそ。


「……まだ、間に合うわね」


そう呟いた。



感想をいただけると嬉しいです。

※一応完結分までは完了してますので都度載せる予定です。

よろしければ見てください。


AIアシスト作品です。


僕はまだ、ただの学生だったはずなのに。

気づいたら、伯爵家と組織と、大人たちの胃を一手に引き受けていた。

これは「有能すぎたせいで詰んだ男」の話。

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