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第六部 第九話 ここではないどこか

終わりまで書いてたはずなのに、、、はずなのになんで長くなるんだ、、、

~エドワード・ハミルトン~


ー切り替えの兆しー


違和感は、数字より先に来た。


報告書の端。注釈として添えられた一文。


> 「一部現場において、

> 意思決定の速度に対する

> 心理的抵抗が観測される」


観測、という言葉が選ばれている。

感情ではなく、現象として扱われている。


エドワードは、ペンを置いた。


これは、能力の問題ではない。

成果の問題でもない。


”政治の匂い”だ。


優秀さが、評価を越えて警戒に変わる時。

組織は、個人を守らない。


むしろ、距離を取り始める。

彼は、長年それを見てきた。


若く、速く、正しい者が、「扱いづらい」という理由だけで

孤立していく過程を。


その夜、エドワードは二人を呼んだ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


~ジェシカ~


ー構造が人を削る時ー


最初に口を開いたのは、ジェシカだった。


「悠馬は、壊れやすい状態に入っているわ」


断定だった。

エドワードは眉を動かさない。

拓海は、黙って頷く。


「正しさを維持したまま、修正不能な摩擦に晒されている。

それは、人を削る構造よ」


ジェシカは、指を組む。


「ノアも同じ。翻訳者として、消耗し始めている」


善意で動き、

正論を置き、

それが刃になる。


「このままでは、二人とも“役割”に食われる」


言葉は淡々としていた。

だが、結論は重い。


「一度、切り離す必要がある」


エドワードが、低く言う。


「切り離す?」

「環境から」


ジェシカは、即答した。


「肩書きから」

「噂から」

「期待から」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


~拓海~


ー現場の音ー


拓海は、少し遅れて口を開いた。


「現場の音が、変わった」


二人が視線を向ける。


「怒ってねぇ」

「暴れてもいねぇ」

「ただ」


一拍。


「諦めに近づいてる」


それは、最も危険な兆候だった。


「このまま行くと」

「どっかで変な爆発する」


「内側か、外側かは分からねぇけど」


拓海は、肩をすくめる。


「ここじゃ、息が詰まる」


エドワードが、静かに言った。


「……場所を変える、か」


その言葉に、ジェシカが小さく頷く。


「“佐伯”でなくなる場所」

「“ハミルトン”が前に出ない場所」


「役割を、一度外せる場所」


沈黙。


誰も、はっきりとは言わない。


だが、同じ単語が

それぞれの思考に浮かんでいた。


「……日本」


拓海が、ぽつりと口にした。


エドワードは、すぐには否定しなかった。


五歳で切れた場所。

名前の重みが、今より軽い場所。


「視察、という名目なら」


エドワードが言う。


「理由は立つ」


ジェシカが、静かに付け足す。


「仕事としてね」


拓海は、短く笑った。


「それなら、あいつらも行きやすい」


その場で、結論は出なかった。


計画も、日程も、何も決まっていない。


だが。


”方向だけは、揃った。”


エドワードは、最後に言った。


「……まだ、言うな。本人たちには」


二人が頷く。


今は、まだその時ではない。


ただ、ここではない場所が必要だということ。


それだけが、静かに共有された。


窓の外は、相変わらずの夜だった。


だが、その先に、別の景色が

うっすらと見え始めていた。



感想をいただけると嬉しいです。

※一応完結分までは完了してますので都度載せる予定です。

よろしければ見てください。


AIアシスト作品です。


僕はまだ、ただの学生だったはずなのに。

気づいたら、伯爵家と組織と、大人たちの胃を一手に引き受けていた。

これは「有能すぎたせいで詰んだ男」の話。

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