幕間 身長という概念が仕事をしない
この二人何センチ違うんだろ・・・
廊下。
「……」
悠馬は、立ち止まった。
理由は単純。
自分の前に、”壁”がある。
正確には、ノアの背中だ。
「……ノア」
「ん?」
「前、見えない」
「え?」
ノアが半歩ずれる。
ようやく視界が開ける。
「……」
「なに」
「いや」
「言いたいことある顔」
悠馬は、しばらく考えてから言った。
「……君、でかくなったな」
「今さら?」
「今さらだ」
ノアは笑う。
「兄さんが小さいんだよ」
「小さくない」
「俺より?」
「比較対象がおかしい」
通りすがりの職員が言う。
「ノア様、その方は?」
「俺の兄です」
「ああ!ノア様の後輩の……」
「違う」
悠馬が即否定する。
「兄です」
「失礼しました!」
去っていく職員。
ノアが首を傾げる。
「なんでそんな必死なの」
「兄は後輩ではない」
「別に悪くなくない?」
「悪い」
「どこが」
「……」
悠馬は答えず、歩き出す。
数歩後。
「筋トレでもすれば?」
ノアが言う。
「した」
「いつ」
「昨日」
「で?」
「腰を痛めた」
「……」
「……」
二人、同時にため息。
「無理するなよ」
「君に言われたくない」
「でもさ」
ノアは、少しだけ真面目な声で言った。
「兄さん、小さくても困らなくない?」
「……」
「俺、でかくても何も分かってないし」
悠馬は、少しだけ笑った。
「……そうだな」
身長は、仕事をしない。
それが分かっただけでも、この会話は有意義だった。
感想をいただけると嬉しいです。
※一応完結分までは完了してますので都度載せる予定です。
よろしければ見てください。
AIアシスト作品です。
僕はまだ、ただの学生だったはずなのに。
気づいたら、伯爵家と組織と、大人たちの胃を一手に引き受けていた。
これは「有能すぎたせいで詰んだ男」の話。




