第六部 第六話 ノア、渡った人と、渡らなかった人
数少ない読者の皆様、、、(ほんとにいる?)話の流れも内容も書いてていうのもなんだけど結構アレなんですが、読んでておかしくないですか_| ̄|○
一人でやってるとわからなくて・・・
最初の現場では、うまくいった。
空気が張りつめる前に、言葉を置けた。
「今、どこが分からないですか」
そう聞いた時、相手は一瞬だけ迷って、それから口を開いた。
「……この判断の前提が」
そこからは早かった。
整理して、確認して、「今いる場所」を一緒に見る。
会議が終わる頃には、
皆、少しだけ軽くなっていた。
「助かりました」
「正直、聞けなくて」
その言葉を聞いた時、胸の奥が、少しだけ温かくなった。
ーーーこれだ。
これが、兄さんの代わりに自分がやるべきことだ。
そう思った。
でも。
二つ目の現場では、同じようにはいかなかった。
「分からないなら、止めていいと思います」
そう言った瞬間、空気が変わった。
「……それって」
誰かが、静かに言った。
「分からない方が悪いってことですか」
違う。
違う、はずだった。
「そうじゃなくて……」
言葉を足そうとしたが、相手の視線が、すでに冷えている。
「でも」
「結果として、そう聞こえますよね」
会話は、そこで終わった。
怒鳴られたわけじゃない。
反論されたわけでもない。
ただ、”距離ができた。”
廊下を歩きながら、ノアは自分の手を見た。
さっき、確かに橋を置いた。
でも、全員が渡ったわけじゃない。
それどころか。
渡らなかった人の方が、強く印象に残っている。
「……」
次の現場。
ノアは、少し言い方を変えた。
「一度、止めてもいいです。僕も、まだ整理中なので」
それは、正直な言葉だった。
でも。
「……それ、佐伯さんの判断ですよね」
そう返される。
違う。
自分の判断だ。
でも、そうは受け取られない。
ノアは、そこで初めて気づいた。
『自分は、もう“自分の言葉”で聞かれていない』
兄さんの代理。
佐伯体制の前線。
そういうフィルターを通して見られている。
その自覚が、胸に重くのしかかる。
別の現場では、逆にうまくいった。
「ノア様がそう言うなら」
その言葉が、ありがたいはずなのに、どこか怖かった。
自分の言葉ではなく、立場で納得されている。
それは、橋ではない。
命令に近い。
夕方。
ノアは、今日一日の現場を頭の中で並べてみる。
渡れた人。
渡れなかった人。
立ち止まった人。
最初から来なかった人。
成功と失敗が、混ざっている。
法則が見えない。
同じことを言っても、反応が違う。
相手の立場?
経験?
性格?
ーーー全部、違う。
それを、一つの言葉でどう繋げばいい。
オフィスに戻ると、兄さんが端末を見ていた。
相変わらず、静かで、無駄がない。
声をかけようとして、やめた。
今日の失敗を、言えばいい。
言うべきだ。
でも。
言葉が、喉で止まる。
自分の失敗が、兄さんの判断に影を落とす気がした。
それは、避けたかった。
ーーー守りたい。
その気持ちだけは、本物だ。
でも。
ノアは、その場で立ち尽くす。
橋は、置けるようになった。
だけど。
橋を”全員に渡らせる方法”は、まだ分からない。
まただ……
『兄さんは、それをずっと一人でやってきた』
そう思うと、胸が苦しくなる。
正しさだけじゃ、足りない。
優しさだけでも、足りない。
ノアは、自分がまだ“途中”にいることをはっきりと自覚した。
ーーー並ぶって、こんなに難しいのか。
今日、渡った人もいる。
でも、渡らなかった人もいる。
その両方を抱えたまま、明日もまた、現場に出る。
それが、今の自分の立ち位置だ。
感想をいただけると嬉しいです。
※一応完結分までは完了してますので都度載せる予定です。
よろしければ見てください。
AIアシスト作品です。
僕はまだ、ただの学生だったはずなのに。
気づいたら、伯爵家と組織と、大人たちの胃を一手に引き受けていた。
これは「有能すぎたせいで詰んだ男」の話。




