幕間 凛と蘭 噂は勝手に育つ(そして誰も責任を取らない)
元原稿の保管がグダグダすぎて泣きそう
その日、ハミルトン邸のキッチンは、妙に静かだった。
理由は簡単。
誰も、「その話題」に触れないからだ。
「……ねえ」
凛が、紅茶を混ぜながら言った。
「最近さ」
「うん」
蘭は、クッキーを一枚取る。
「噂、勝手に変質してない?」
「してる」
即答。
「私たち、“人間味”方向に上書きしたよね」
「した」
「なのに」
「“冷たいエリート”に進化してる」
二人、同時にため息。
「……育ちすぎ」
「雑草みたい」
「刈っても刈っても」
「地下茎で増えるタイプ」
その表現に、蘭が小さく笑った。
「ねえ」
「なに」
「これさ」
「もう、私たちの管轄超えてない?」
「うん」
「完全に」
「大人案件」
二人は、同時に視線をずらす。
視線の先――応接室の方。
「……誰に投げる?」
「決まってるでしょ」
「ジェシカ叔母様」
「と」
「エドおじ」
「あと」
凛が、一拍置く。
「拓海父さん」
「現場音、拾ってくる係」
蘭は、少しだけ首を傾げた。
「悠馬兄さんは?」
「……」
二人、一瞬黙る。
「本人に渡すと」
「余計に真面目に考える」
「胃が死ぬ」
「確実に」
凛が、軽く肩をすくめる。
「だから」
「今は」
「知らない方がいい」
「噂の完全体は」
「うん」
「完成したら」
「その時にちゃんと止めてもらお」
二人は、ごく自然に“役割分担”を決めていた。
誰も、司令を出していない。
だけど、迷いもない。
「……しかし」
蘭が、ぼそっと言う。
「兄さん、本当に噂体質だよね」
「本人は何もしてないのに」
「存在がコンテンツ」
「ある意味天才」
「ある意味災難」
「「災難拾う天才だわ」」
二人、同時に頷く。
「ま」
「この先は」
「大人の出番でしょ」
「うん」
「責任の所在、 はっきりさせてもらお」
その頃。
別室では、何も知らない大人たちが、それぞれ別方向から
同じ“違和感”に辿り着きつつあった。
噂は、もう子供の遊びじゃない。
ーーそして次に動くのは、“止める側”だ。
感想をいただけると嬉しいです。
※一応完結分までは完了してますので都度載せる予定です。
よろしければ見てください。
AIアシスト作品です。
僕はまだ、ただの学生だったはずなのに。
気づいたら、伯爵家と組織と、大人たちの胃を一手に引き受けていた。
これは「有能すぎたせいで詰んだ男」の話。




