[痛ミ之少ナヰ世界]
目覚まし時計の音、いつもの時間通り。
意味不明の砂時計、今日も砂を落としている。
それに何も抱かなかった。
日常で歩いていた道は、果てしない闇のようで。
俯いて、立ち止まった。
いつまでも、永遠のように。
見えていた未来、生きる人々。
どの人も瞳に力は無くて。
恐かった夜、自分も消えそうで。
浮かぶ太陽、光りが体を焼いた。
同じ朝と時計針、朝日に何も思わない。
置いてある砂時計、繰り返す経過の瞬間。
それが何か知ろうとしない。
立ち止まって見ている場所は、果てしない終りのようで。
逃げ出し、振り返った。
それだけが、包んでくれた。
世界は揺篭、眠る人々。
神がくれた薄い幸せ。
微睡む朝、同じ輝きの日々。
変わらない色、それでも疑問を捨てた。
深い眠りの中―――聞こえる。
聞こえた気がした。
不意に夢から覚めて、もう一度振り返った。
そこにある砂時計を床に落とした。
光り出す、砂と歩く道。
世界は揺篭、眠る人々。
神がくれた薄い幸せ。
微睡む朝、同じ輝きの日々。
変わらない色、それでも疑問を捨てた。
輝いた今、虚光は消える。
空に振り翳した手に灯る。
眩く朝、変わり始める未来。
変わらない色、それでも歩き出した。
光りが飲み込まれる闇の方へ。