~第2話~ 「3人の過去と魔法研究」
「お前ら大丈夫か」
それはこの試験の試験官の「シノン」先生からの言葉だった。
「はい大丈夫です」
上級モンスターの亡骸を見たとき、
「おい、これは誰の魔法だ?」
その時3人は先生が来る前に話し合っていたことがあった。
「もし、先生が魔法について追及してきたら正直に話す?」
それに対して、今回新た魔法を生み出した「レオ」は、
「俺は別に言ってもいいよ。これからどう向き合うか考えたいし」
そのような会話をしていた3人は、
「シノン先生、実は…」
とどのように倒したかを事細かに説明した。
「すごいなレオ!お前の魔法をこの班のメンバーで研究して魔法研究の最高峰である魔法塔に送らないか」
その提案を受けて「シズク」が、
「魔法塔に提出したらレオが監禁されるんじゃない」
魔法塔には2つの顔があった。魔法を管理し、新しい魔法は王族に申請し、承認を得る権限を持っている。裏の顔は新しい魔法を提出した者たちを洗い出し、その魔法について追及し、最終的に実験動物にしているという。
それを知っていた「シズク」は、
「レオの安全が大事だからこの実験は学園内で終わらせよう」
となった。
そして試験終了となり、けが人多いため今日は各自、現地解散となった。
「レオこの後予定ある?」
聞いてきたのは「ネオ」だった。
「みんな王城行かないと言われ」
みんなはそんなこといきなりできるわけもないと思っていたが、
「いろいろ申請なしで行けるの?」
聞かれた。
ここで「ネオ」が王族であり、アークロード王国、王位継承権第1位、第1王女「ネオ・フォン・アークロード」であることがわかった。
ここで1度カフェに入って自分たちの過去、素性をお互いに公開しあうのであった。
「じゃあ一様もう1回、自己紹介するね。私はこの王国の第1王女で、ネオ・フォン・アークロードです」
この自己紹介のハードルが急に上がった気がした
「えっ…じゃあ次は私かな? えっと私は、シズク・アウグストで一様男爵位の貴族だけどまあ次女だから次期当主でもないから貴族として扱われるの苦手だな~」
そうして王族と貴族などの上流階級が自己紹介した後だと「レオ」の影が消える気がした
「この流れで俺? ちょっとハードル上げすぎ。まあいいや、俺は世界の最北端にある国で生まれて名前が少し特徴的なんだけど、五藤レオっていうんだ一様学校にはレオだけで申請してるんだけどな」
2人は少し変わった名前におどろくこともなく、話を進めた。
「それで王城に2人を招いても大丈夫なんだけど…レオの魔法のことをお母様に認めてもらおうかと思って」
2人は一瞬話が理解できなかったが「シズク」は理解した
「えっ…ちょっと待って、それって陛下に謁見するってこと?」
その質問を聞いて「レオ」はやっと何事かわかった
「俺、礼儀作法とか全然ダメだけどいいのか?」
2人は勘違いしていた。基本的に公式の謁見では礼儀作法が必要だが、家族の雑談に友人を招いたという形ならば非公式の場であるため礼儀作法はあまり気にしなくてもよいとのことだ。
「非公式だから大丈夫。それでいくの?」
2人は行くことをここで決め、2日後の夕暮れ時に向うことになった。
そして王城に行く前日3人は演習場を借りて、明日、陛下たちの前で見せる魔法の実験をしていた。
「お前ら私が監視してる時だけ使っていいからな、それ以外はダメだぞ」
そういってくるのは、魔法のことを知っている「シノン」先生だ。
「先生ちなみに個人魔法以外の実験はダメですか?」
そう聞いてきたのは「シズク」だった
「別にいいが、メインはレオの個人魔法だぞ」
そういわれ、
「はーい。じゃあ空き時間にやりまーす。」
と返事をした。
今回の「レオ」の魔法についての実験は大きく分けて3つだ。1つ目は、展開する魔法の種類を選べるかどうか。2つ目は、魔法の展開をどれだけ続けられるのか。3つ目は、魔法を意図した方向に飛ばせるか。実践では剣の斬撃を延長するように広がっていった。
「じゃあ、これから3時間の間に全部できるようにしよう」
そんな無茶難題を出されたがなぜか「シズク」は
「私も3時間で実験終わらせます」
と1番関係ないのに参加する気がある「シズク」を見た「シノン」は
「しょうがないから許可するがちゃんとレオの実験も見ておけよ」
釘を刺され実験が始まった。
実験では「シズク」の実験が派手すぎで少しセーブしろと言われた。
それから約3時間が経った。
「よしじゃあ今日はこの辺で終わってレポートにまとめろそれを明日持っていけ」
ということで今日は実験を終わり、レポートを描くこととなった。
レポートの内容としては、「レオ」のレポートとなぜか「シズク」のレポートの2つができてしまった。
「レオ」のレポートの内容は実験項目の結果などであった。だが問題は「シズク」のレポートだ。「シズク」は、初めに複数魔法の展開を同じ場所でやり、新たな魔法を生み出す実験、魔法を遠隔で操作し、「レオ」と同じように常時魔法展開の状態を保つ実験のレポートを提出していた。それを見た「シノン」先生は
「これどっちの実験がメインかわからなくなるな」
と陛下にどっちを先に見せるか悩んでいた。
そして王城に出向く当日になった。
王城に出向いた3人は応接室に通された。
「待っていたぞ」
その言葉はこの国の国王であり、「ネオ」の父親であり、この国の王である「アロン・フォン・アークロード」からの言葉だった。
「お父様今回はこの場を用意して頂き有り難うございます」
「ネオ」の言葉に続いて2人も感謝の言葉を述べた。
「ネオ、さっそく本題に入るがそこの子がそうだな」
「アロン王」は「レオ」の方を向きながら言った。
「はい、お父様この方が今回お話していたレオさんです」
「ネオ」の言葉とともに「シズク」がレポートを差し出した。
この時「シズク」は自分のレポートの上にレオのレポートを重ねていたためこの後「シズク」は悲惨な目にあうこととなるのでした。
「拝見するぞ」
そう言い、レポートを順々にめくっていくと、「シズク」のレポートを見て驚愕した。
「シズクさんあなたはもしかしてアルマンの家の令嬢ではないですか?」
そう聞かれシズクはなぜ気にしているのか気になりつつも
「はい」
そう返事をして
「すまぬがこれは少し話し合いが必要になってしまった。また後日来てもらうことは可能か?」
そう聞かれた3人は、
「はい、学園の授業がなければ大丈夫です」
そういい、今日の謁見が終わった。