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いつの日かの追憶
深い微睡みの中で欠けていた記憶が蘇る。
嘗ての世界での生活。
大切な人達との日常。
憧れている兄との思い出。
あの日の家族との外出。
楽しい休日のはずだった。
突如、目の前から迫ってくる白い光。
次々と消えていく人々。
逃げようとしても、もう間に合わない。
俺には何も出来ず、ただ兄に守られているだけ。
痛みもなく、ただ為す術もなく、光に包まれた。
そして、俺は死んだ……はずだった。
これは俺が本当の意味で生きかえるまでの物語だ。
これは蒼穹から零れ落ちた記憶の断片。
いつか思い出さなきゃならない辛いあの日の出来事。
全て拾い集めた時、蒼穹は本来の自分を取り戻すだろう。