第十三話 最終回ですわぁ
最終回ですわぁ
来てしまったのなら、入ってしまったのなら、仕方ない! 行こう! ッてなるかぁ!
「開けてくれ! 頼む! 開けてくれ~!」
二人とも、居るんだろ!
「・・・えっ居ないの? 帰ったの? まさかぁ」
ウソだよな? 冗談だよな? ドッキリだよな!
「何してる、ニンゲン」
あ~もしかして、魔王の配下さんですか? 後ろに居るのは。
「迷っちゃって~ハハ~本当、マジで怪しい者じゃないので帰り方教えてくさい」
死んでも魔王を討伐しに来ましたとか言えない。つか、言ったら百パー死ぬ。
「ええ、そうですか。ってなるとでも?」
「っと言うのは?」
「ブッ殺す!」
無理か~そら無理だよな~あ~流石に死ぬ~
今思えば何でこんなことになってんだろ。もっとさぁ~辺境でゆったりまったりスローライフしたかったな~それが何で、魔王を討伐しろとか言う、無理難題を押し付けられなきゃいけないんだよ。もっと無双してみたり、ハーレム作ったりして、異世界生活を満喫したかったな~
あっでも俺がこんなことになった、元凶って・・・
「スキル! ≪ご都合展開≫ !」
「なッなに!」
【ちゅど~ん!】
「ムッ何の音だ? まるで爆発音」
「スキル ≪ご都合展開≫ 」
うわ~ワープした先にスンゲェ魔王っぽい人が玉座に座ってんだけど
「キサマッ! 我が魔王であることを知っての無礼か!」
魔王・・・ダトッ! そうか、お前が魔王か。
「何をしに来た! よもや、我を殺しに来たのか!」
無理矢理来させられたんだよ!
「ならば、キサマが噂の ≪勇者≫ か」
え? ≪勇者≫ いるの? えっ? じゃあ何で俺が来たの? 魔王を倒すのは ≪勇者≫ って決まってるんじゃないの?
「沈黙は肯定と捉えるぞ! フッフッフ、この百五十代目魔王であり、歴代最強の我が、本気で相手をしてやろう! キサマを本気で来るが良い! 先ずは手始めに ≪破嵐雷≫ 魔法を使ってやろう! だが ≪勇者≫ であるキサマの魔法であれば、こんな魔法容易いだろう。 だからこそ ≪完全詠唱≫ だ! 出し惜しみなんぞ、するものか!」
≪天と地が分かつ時、嵐は地を抉り、雷は天を裂く。自然が放つ、怒りは全てを無に還し。荒れ狂う天候が、生命を裁く━━━≫
「 ≪破嵐雷≫ 魔法 ≪破壊の演奏≫ 」
「いや長い」
≪とりま全魔法≫
「グギャ~!」
うわぁエグウ。思ってたより、この魔法エグウ。二度と使わないでおこうっと。
「ハァハァ、キサマ、何者だ? ≪勇者≫ は光魔法を使うと聞いた。だが、キサマが使ったのは光魔法を含む複数の魔法。キサマ、一体何者なんだ!」
「転生者ですけど?」
「ンナッ」
え~そんな驚かなくても。てか、アンタぐらいだよ、驚いたの。
「フッフッフ、転生者だと? あの伝説の? 我を騙そう何ぞ、五千年早いわ」
伝説? そんな感じは無かったけど。
「なぁ転生者よ。キサマの望みは何だ?」
なんでそんな事聞いてくるんだ、この人。いや、人なのか?
「目的でも何でも構わん。我を倒した者の次を知りたいだけだ」
目的なら、ある。
「神様ブン殴る」
だってそうだろ? 元は神様が間違って殺したとこから、始まったんだから。
「神を、殴るだと? まぁ良い。殴ったあと、キサマは元の世界に戻るのか?」
「辺境でゆったりまったりスローライフをするんだ。二度と、こんな目には会いたくないし」
「そうかなら、手伝ってやろう」
ふぇ?
「本来なら、さっきの魔法で死んでいたが。キサマ ≪回復魔法≫ も含んでいただろう? だから、ダメージは負ったが、致命傷は免れた」
そっか! 全魔法だから!
「と言っても、キサマに殺される事は無いだろうがな。何故なら、我を殺して良いのは ≪勇者≫ だけだからな」
え? なんで?
「恐らくそう言うシステムだろうな」
システムとかあるの!
「さぁ口を閉じろ。目を瞑れ。神の場所へ飛ばしてやる」
え? ちょちょ待って? まだ心の準備が
「あっオタク陰キャ。何しに来た?」
マジで来ちゃった。
「え~と、殴りに?」
「食らえ、異世界トラック」
は?
「グアッ」
「ハッ! ここは、草原」
いつかの、初期リス地。
「あ~もしかして、ループか?」
異世界あるあるでは、あるな。
「やっと見付けたのに、なにしてるんです? リンゴ様」
「本当にゃ感動の再開なのに、感動出来ないにゃ」
この声は、フレルビーさん! マダラ!
「あの後大変だったにゃ。兄ちゃんは転生者であっても ≪勇者≫ じゃなかったにゃ。だから急いで戻ってみれば、そこには魔王しかいにゃい」
「あのときは心臓が止まりましたね~」
そんな事があったのか。
「それから、必死になって探したんですよ?」
「三日にゃ三日。ミーたちは三日間、探し続けたにゃ」
三日も経ってるのか。むう、時間感覚が狂いそう。
「これからどうするんですか?」
そんなの、決まってる
《生まれ変わったら━━━》
「最強つんよチート能力で、リア充になります」
そう、これが俺の物語り。タイトルをつけるなら、いや。タイトル付けんのメンドクセェ