第十二話 急展開ですわぁ
流石は異世界、魔王が居るんだ。んで、ソレを倒せと・・・いやいやいや、ムリムリ。魔王でしょ? 絶対強いじゃん。異世界来て数日で魔王討伐って、急展開過ぎるだろ。
「え~では魔王が居る場所ですが~」
「ちょちょちょ! 待ってください! 無理ですよ! 魔王を倒すなんて!」
魔王と戦うなんて、死ぬよ? 俺。
「報酬は日本円で五億です」
「やります!」
拳を天へ突き上げ、大胆に宣言する男がそこにはいた。
「チョロいですね」
「チョロいにゃ」
「チョロすぎ」
チョロいな、俺。
「場所ですが・・・」
「そして、流されるがままに、着いたのが魔王城」
あのあと、馬車に乗せられ、そのままノンストップで、魔王城の目の前まで来た。
「なにしてるにゃ?」
「後悔」
「ンなことしてないでさっさと行くにゃ」
酷くない? これから魔王と戦うってのに。もっとこう、何だ? 応援してくれたりとかさぁ?
「ほら行けにゃ」
そう言ってマダラが背中を押す。
「止めろ止めろ、俺はまだ死にたくない」
「私も手伝いますね」
「フレルビーさん!」
アンタそっち側だったのか!
「リンゴ、頑張れにゃ」
「マダラ・・・」
「頑張ってください、リンゴ様」
「フレルビーさん・・・」
って! 感動涙必須シーンみたいになってるけど、イヤだよ! 行きたくないよ!
『せ~の、ドン』
息のあった動きで、二人は俺を魔王城にブチ込むのであった。