もふもふなぬいぐるみたちに、癒される日々。
私の家には、5つのぬいぐるみがあります。
そのぬいぐるみたちは、不思議なことにしゃべったり動いたりするのです。
私はいつも、そのぬいぐるみたちに癒されています。
「うう~…残業になるとは。疲れたよ~…お腹空いたよ~…!」
いつもより遅い、仕事からの帰宅。疲れてそして、お腹が空きすぎてヘロヘロな私は、玄関のところでぺたりと座り込んだ。すると、部屋の奥からぬいぐるみたちがぽぴゅぽぴゅと足音を鳴らしながら駆けてきた。
「ママ~おかえりなしゃいでしゅ!今日は遅かったでしゅね~…ってえ!?ママが倒れてる~!」
と、クマのぬいぐるみのくまくまが、玄関で座り込む私を見て、驚いた声を上げる。
「や~ん!ママンどうしたのぉ?大丈夫ぅ?」
と、うさぎのぬいぐるみのうさろんも、心配そうに言う。
「今日帰りが遅かったですが、何かあったんですか!?体調が悪いとかですか?」
と、柴犬のぬいぐるみの柴田さんが、顔を真っ青にさせながら私に声をかけた。
「ただいま~みんな。ごめんね、帰ってくるの遅くなって。今日ちょっとお仕事が長引いちゃってさ~。忙しすぎてお昼ごはん食べる暇が無くってさ、それでお腹すきまくりでここで力尽きちゃっただけだから。お腹空いてるだけだから大丈夫だよ~」
と、私が言うと。
「そうなんですね…それは大変でしたね。でしたら、早くごはん食べなきゃですね」
と、へびのぬいぐるみのスネービーが、舌をチョロチョロとさせながら、心配そうに言った。
「ならば母上、早くごはんを食べに行かにゃきゃ!さ、早く早く!」
と、茶トラ猫のぬいぐるみのちゃとにゃんは、柔らかな綿のお手々で私の手をぐいぐいと引っ張る。
「ちょ、ちゃとにゃんさん!ママ…オホンッ!彼女は疲れはててるんですよ!こういう時は自分のペースで動いてもらった方が良いんですよ!」
と、柴田さんがちゃとにゃんに言うと。
「そうかにゃ~。ごめんにゃ~母上」
と、ちゃとにゃんがちょっとしゅん…とする。
「ううん、みんな私のこと心配してくれてありがとう。そうだね~…みんなともふもふぎゅっぎゅ♪したら、ちょっと元気になるかな~?」
と、私がぬいぐるみたちに言うと。
「「「「「もふもふぎゅっぎゅする!」」」」」
と、ぬいぐるみたちは目をきらきらとさせ、しっぽをパタパタと振ったりして嬉しそうにした。
みんなその『もふもふぎゅっぎゅ♪』が大好きなのだ。そして私も、ぬいぐるみたちともふもふぎゅっぎゅ♪するのが大好き。
私が両腕を広げると、ぬいぐるみたちは私の胸のところに集まってきて、そして。
「はい!もふもふぎゅっぎゅ♪」
と、5つのぬいぐるみを、みんなまとめてむぎゅーっと抱きしめた。そうするとぬいぐるみたちは、きゃっきゃと嬉しそうにする。
胸に抱きしめるぬいぐるみたちは、やわらかくてふあふあであったかくて…すごく、癒される。
「みんなふあふあでかわいい!疲れなんて吹っ飛んだよ。ありがとうね、みんな」
ぬいぐるみたちを抱きしめながら言うと、ぬいぐるみたちはふあふあのお手々で、ふぎゅうっ…と、私のことを抱きしめ返した。
いつも癒しをありがとう、ぬいぐるみたち♪